ヤマダホームズとアイ工務店の戦略|展示場取材で見た強みと学び

ヤマダホームズとアイ工務店の戦略|展示場取材で見た強みと学び

ヤマダホームズの住宅展示場には、会社の規模も、ヤマダ電機と関係があることも知らずに来場するお客さんがそれなりにいます。

アイ工務店とヤマダホームズはどちらも自己資本比率が高い住宅会社で、アイ工務店は40%超、ヤマダホームズは50%超です。ヤマダホームズはそのうえで、大塚家具の家具や銀行ローン、保険まで含めたパッケージと、スマホや音声で家電を操作できる住宅を打ち出しています。

本記事では、ヤマダホームズの展示場で社員の方から聞いた話と、アイ工務店の役員から聞いた話をもとに、両社の強みと工務店が学べる点を解説します。

アイ工務店とヤマダホームズは自己資本比率の高い住宅会社

私はヤマダホームズの住宅展示場に足を運び、社員の方にいろいろ話を聞いてきました。

私は業界の人間なので、ヤマダホームズについての情報も知識もありました。

それでも内部の方に改めて話を聞くと、「なるほどな」と思える部分が多々ありました。

ヤマダホームズの規模を話すと来場者が驚く

ヤマダホームズは全国に支店を持ち、かなり広い範囲に勢力を広げていますが、一般の来場客は普通このことを知りません。

それどころか、ヤマダホームズがヤマダ電機と関係があることを知らずに来店するお客さんも、それなりにいるそうです。

そのため、営業が来場したお客さんに会社の規模を話すと、お客さんは一様に驚くそうです。

来場したお客さんに会社の規模を伝える話し方は、ヤマダホームズの営業による規模の伝え方で解説しています。

「こんなに大きな会社だったんですね」

ヤマダ電機の資本力や財務力が強固なのは知られた話で、ヤマダホームズの自己資本比率も50%を楽に超えています。一般的なハウスメーカーの自己資本比率は20%から30%だと思われるので、この数字がヤマダホームズの安定性を裏付けているのは言うまでもありません。

アイ工務店の役員が営業に指示していたトーク

自己資本比率の高い住宅会社としては、ヤマダホームズのほかにアイ工務店が挙げられます。私は数年前、アイ工務店の役員の方からこんな話を伺いました。

「我々は自己資本比率が40%を超えているんですよ。営業にはこれお客さんに必ず話すように指示しています」

私はこの話を聞いたときもかなり驚いた記憶があります。

アイ工務店の営業さんにも聞いたところ、数字の意味が分からないお客さんは「ふーん」で終わってしまうそうです(笑)。

一方で、意味が分かるお客さんはかなり驚いてくれるので、自己資本比率はアイ工務店の重要な営業トークになっているとのことでした。

アイ工務店ですらこの数字を前に出しているので、50%を超えるヤマダホームズがお客さんにアピールするのは当然のことといえます。

ヤマダホームズの注文住宅は家具・保険・ローンまで含むパッケージ

ヤマダホームズの大きな特徴は、住宅を売るだけでなく、銀行ローンや家具、保険まで含めたパッケージでお客さんの暮らしをお手伝いすることです。ほかのハウスメーカーにはあまり見られない売り方だと私は思います。

パッケージで売るヤマダホームズと競合したときの商談の進め方は、ヤマダホームズとの競合対策で解説しています。

大塚家具の合併は来場者にほとんど知られていない

大塚家具も、ヤマダホームズのパッケージの一つです。

ヤマダホームズが大塚家具を合併したことは、かなりの人が知っていると私は思います。

大塚家具の家族間の争いが、毎日のようにテレビをにぎわした時期があったからです。

ただ、これは住宅関係者だからよく覚えている話で、営業が一般の来場者にこの話をすると、次のような反応が圧倒的だそうです。

「へー、そうなんですか、初めて聞きました」

家具店との提携はほかのハウスメーカーや工務店もやっている

家具店と提携すること自体は、ほかのハウスメーカーもやっていますし、地元の工務店でもよくあることです。

昔の話で恐縮ですが、私が在籍した積水ハウスも地域の有力店と提携し、積水ハウスとの契約者が5%引きで家具を買える制度をとっていました。

ヤマダホームズの場合は提携先が大塚家具なので、扱う家具は安っぽいものではなく、一定のレベルをクリアした高級家具といえます。

大塚家具の家具が契約の大きな決め手になることはあまりないでしょうが、お客さんにとって魅力のあるアイテムの一つであることは間違いありません。

展示場のアレクサで分かったヤマダホームズのスマートホームの評判

私が社員の方の説明を聞きながら展示場を見学していると、小堀住建ブランドの展示場の寝室にアレクサが置いてありました。

アレクサは、音声でさまざまなことを命令できるシステムです。

私も実物を見たのはこのときが初めてでした。

ヤマダホームズはヤマダ電機の関連会社なので、スマホですべてを操作できる住宅を目指しています。各ハウスメーカーもこの分野を研究していますが、ヤマダホームズには自分たちがナンバー1だという強い思いがあると私は感じました。

スマートハウスとセットで販売する電気自動車を住宅ローンに組み込める仕組みは、ヤマダホームズの電気自動車販売で解説しています。

アレクサへの反応は来場者によって温度差が激しい

展示場のアレクサは実際に操作できるようになっていて、営業さんとはこんなやり取りをしました。

営業「ここはアレクサが置いてありまして、話すだけで色々な電化製品に指示ができるんですよ」

私「さすがはヤマダホームズですね。そのあたりは最先端をいっているということでしょうか」

営業「おっしゃる通りですが、お客さんの反応は様々です。目を輝かせて食いついてくれる方もいるのですが、そもそもアレクサが何だか知らない人も多いですから温度差は激しいですよ(笑)」

私も、アレクサという名前は知っていても、自分で使ったことも触れたこともありませんでした。そのため、営業がお客さんにアレクサの話をしても、興味を持ってくれるお客さんはごく一部に限られるそうです。

アレクサに関心を寄せるのは高額所得層

営業さんの話では、アレクサに関心を寄せるのは、平均するとアッパー層のお客さんが多いそうです。

アッパー層のお客さんは懐に余裕があるので、新しいものを良いと思えば直感的にどんどん導入したいとおっしゃるとのことでした。

この点を評価してヤマダホームズと契約するアッパー層のお客さんも、それなりにいるそうです。

私はこの話を聞いて、なるほどと思いました。

音声認識の精度はまだ完璧ではない

営業さんは、アレクサの問題点も正直に話してくれました。

アレクサは人が機械に向かって声で指示を出す仕組みですが、精度が完璧とはいかない点に営業さんは一抹の不安を感じているそうです。

そのため、お客さんがアレクサに指示を出すときは、滑舌よく、ゆっくり丁寧に話す必要があります。

ただ、音声認識の精度は現状でも極めて高いので、この問題は今後徐々に解消されていくでしょう。私は毎月いろいろな原稿をWordの音声認識機能を使って書いていますが、私の感覚では精度は97%程度で、ほぼ完璧といってよい水準です。

リフォームはヤマダ電機の店舗とヤマダホームズ本体で分担している

ヤマダ電機の店内にはリフォームコーナーがあり、世の中が新築からリフォームにシフトしている流れを受けて、ヤマダホームズもリフォームに力を入れています。気になるのは、ヤマダ電機の店舗で大型のリフォームをどんどん受注しているのかどうかでしょう。

社員の方の話では、店舗で受注するのは比較的小さなリフォーム工事で、大きな工事になるとヤマダホームズ本体に話を回しているそうです。

便器の取り替えといったちょっとした工事は、そのままヤマダ電機の店内で受ける仕組みになっているようです。

少し考えれば、当然の棲み分けといえます。

小規模工務店がアイ工務店とヤマダホームズの営業から学べること

小規模工務店の経営者や営業の方は、経営の安定性をお客さんに伝えることをおろそかにしていないでしょうか。

アイ工務店やヤマダホームズのような大手ですら自己資本比率のような数字を全面的に出しているので、小規模工務店も何らかの方法で会社の信頼性をアピールすることが重要だと再認識してください。

契約したお客さんがどんな話で住宅会社を決めたかは、契約客への取材から分かったハウスメーカーの営業トークで解説しています。

新築だけに頼らずリフォームに取り組む

ヤマダホームズに限らず、リフォームの割合は全国でじりじりと増えています。

新築だけの工務店は一刻も早く体制を切り替える必要がありますが、対応が遅れている工務店がかなり多いと私は感じています。

リフォームは今からでも遅くないので、頭を切り替えて素早く取り組むことを強くお勧めします。

OB施主からリフォームを受注する進め方は、工務店のリフォーム受注の進め方で解説しています。

YouTubeなどのSNSで発信する

今回のヤマダホームズ訪問は、私が運営するエンドユーザー向けのYouTube動画に載せるためのものでした。

アップした動画にどの程度関心が集まるか、私は個人的にものすごく楽しみにしています。

それとは別に、大手ハウスメーカーはYouTubeをはじめとしたSNSを重視する傾向にあります。

SNSの活用は大手だからできるものではないので、工務店にも規模にかかわらず同じ発想で取り組んでいただきたいと私は考えています。

まとめ

アイ工務店とヤマダホームズは、どちらも自己資本比率の高さを営業トークにしている住宅会社です。ヤマダホームズはさらに、大塚家具の家具や銀行ローン、保険までまとめたパッケージ、アレクサを置いたスマートホームの展示、ヤマダ電機の店舗と本体で分担するリフォームの窓口を持っています。

大手ですら自己資本比率を前面に出し、SNSを重視しているので、小規模工務店も会社の安定性の伝え方とリフォームへの取り組みを見直したいところです。

ぜひ本記事の展示場取材の話を参考に、アイ工務店とヤマダホームズの強みの見方や、自社の信頼性の伝え方を見直してください。

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