ヤマダホームズとの競合対策|検討中の夫婦が語った意外な選定理由

ヤマダホームズとの競合対策|検討中の夫婦が語った意外な選定理由

つい先日私が会ったHさん夫婦は、ヤマダホームズとFホームで迷っていました。Hさん夫婦がヤマダホームズを候補に残した大きな理由は、普段使うヤマダ電機のポイントを結構持っていることと、ヤマダ電機への親近感でした。

本記事では、Hさん夫婦への取材をもとに、お客さんの側から見たヤマダホームズの評判と、ヤマダホームズと競合する住宅営業の商談の進め方を解説します。

注文住宅を検討中の夫婦に聞いたヤマダホームズの評判

ヤマダホームズについては、このコラムで2回取り上げてきました。つい先日、ヤマダホームズを検討中のHさん夫婦にお会いする機会がありました。

Hさん夫婦はヤマダホームズとFホームで悩んでいて、8月いっぱいには住宅会社を決めるとのことでした。

私は2社で悩んでいる理由を細かくお聞きしましたが、私が最も興味を引かれたのはヤマダホームズを検討している理由です。

性能やデザインを他社と比べているのなら分かりますが、Hさん夫婦の理由は私の想定外の内容だったのです。

「ヤマダ電機が生活圏にある」という答え

私はまず、ベタな質問から入りました。

「ヤマダホームズを気に入ってる理由は何ですか?」

Hさん夫婦からいの一番に返ってきたのは、次の答えでした。

「ヤマダ電機が生活圏にあって馴染みがあるんですよね」

まさに想定外の答えで、さすがの私も驚きました。

私は初め「?」と思いましたが、話を伺ううちに、Hさん夫婦が普段使う家電量販店はヤマダ電機で、そのポイントも結構持っていることが分かりました。

徹底したポイント戦略を取っているヤマダ電機グループなので、住宅取得でもポイント作戦がそれなりに効いていることがあるのだと分かり、「それは確かにあるかもな……」と私は思い直しました。

大塚家具への親しみもハウスメーカー選びの一因

Hさん夫婦の話は、同じグループの大塚家具にも広がりました。

「大塚家具は私が以前住んでた賃貸マンションの隣にあったので、これもなんとなく親しみがあるんですよ」

Hさん夫婦は、最終的にこれだけで住宅会社を決めることはないと笑いながらおっしゃっていました。それでも、ベースにある親近感が、Hさん夫婦のハウスメーカー選びの一因になっていたのは確かです。

こうした親近感を持ってもらうことは、小規模な工務店にできる芸当ではなく、積水ハウスでも真似するのは不可能でしょう。ヤマダホームズは、家電量販店という一般の人になじみのある業態のガリバー企業をグループに持っているので、このような現象が起きています。

ヤマダホームズの営業が店舗網や保険、住宅ローンまで伝えて会社の規模を印象づける方法は、ヤマダホームズの営業トークと規模の伝え方で解説しています。

住宅展示場で見たヤマダホームズのポイント戦略

住宅購入でつくポイントは究極のポイ活

ポイ活という言葉が世の中に出てから随分たちますが、住宅を買ってポイントがつくとなれば、これこそ究極のポイ活でしょう。仮に3,000万円の住宅を購入して1%のポイントがつくとすれば、ポイントは30万円になります。

何らかのイベントで2%なら60万円ですから、使えるのがヤマダ電機だけだとしても、お客さんにかなり魅力的に映るのは頷けます。ヤマダホームズは、こうした実態を踏まえて、ヤマダ電機のポイントを住宅営業に最大限利用しています。

住宅展示場に置かれたヤマダポイントの受付マシン

最も分かりやすい例が、ヤマダホームズの各住宅展示場に設けられたヤマダポイントの受付マシンです。ヤマダ電機の店舗では入り口に端末があり、お客さんがスマホでアプリを起動して連携させると来店ポイントがつきます。

1回でつくポイントは1円単位の話ですが、ポイ活は半分遊びなので、「家電量販店に行くならポイントがつくヤマダ電機に行こう」と考えるお客さんがたくさんいても不思議ではありません。

ヤマダ電機としても、遊びに来ただけのお客さんの衝動買いや、住宅展示場と同じように実物を見て購買意欲が高まることを期待できます。

ヤマダ電機は、こうしたメリットがあるので、来店するだけでポイントがつく仕組みを取っているのです。

ポイント目当ての来場者はほぼいない

私がヤマダホームズの住宅展示場に撮影でお邪魔したとき、案内してくれた社員の方は、ポイント目当ての来場者についてこう言っていました。

「残念ながらそれはほぼないですね(笑)」

住宅を考えていない人が、わずかなポイントを目当てにわざわざ住宅展示場へ来ることはないでしょう。

社員の方によると、不特定多数が来場できるイベントではそうした人も現れるものの、全体ではごくわずかだそうです。

そのため、来場者を増やす効果は薄いと私は考えています。

一方で、住宅展示場を見学しようとヤマダホームズを訪れたお客さんのほとんどは、事務所の入り口にヤマダ電機のポイント受付があることに驚くといいます。

家電量販店のリフォームコーナーが生む「住宅に詳しい」という印象

家電量販店の店内にあるリフォームの相談コーナー

家電量販店やホームセンターに行くと、店内の一角にリフォームコーナーがあります。

ヤマダ電機にもリフォームを受け付けるコーナーがあり、Hさんは常日頃からそのコーナーに目をやっていたそうです。

Hさんは、そのコーナーを見て次のように感じたと話してくれました。

「ヤマダホームズはこのようにヤマダ電機店内にもリフォーム店舗を展開してるわけだから、きっと住宅に詳しいんだろうなと思った」

Hさんのこの発想も私の考えに全くなかったもので、いろいろな意味で参考になった取材でした。

ヤマダ電機のリフォームコーナーは少額工事が対象

少し余談になりますが、ヤマダ電機のリフォームコーナーでは、基本的に小規模なリフォームを専門に受け付けています。

全面リフォームや、単価の高い水回りが集中する工事では、お客さんに住宅展示場へ行くよう促し、専門の住宅営業が出てくるのが一般的です。

線引きには曖昧な部分がありますが、基本的にはこのような仕組みになっていると考えて差し支えありません。

リフォームの棲み分けや家具・保険・ローンのパッケージについては、ヤマダホームズの戦略と小規模工務店の学びで解説しています。

ホームセンターにリフォーム店があるならまだ関連性がありますが、家電量販店の中にリフォームコーナーがあるのを初めて目にしたとき、私ですら強烈な違和感を覚えました。

今ではお客さんの目も慣れ、ごく一般的な光景になっています。

工務店がOB施主からリフォームを受注する方法は、工務店のリフォーム受注の進め方で解説しています。

家電・家具・銀行までグループで完結するヤマダホームズのサービス

以前のコラムでも私は話しましたが、ヤマダホームズはさまざまなサービスを提供しています。お客さんがヤマダホームズで家を買うと、この先ずっと続く家電の買い替えはもちろん、銀行、リフォーム、家具の購入まで、すべてをヤマダグループの中で完結できます。

住宅以外の商品を住宅ローンにまとめる例として、電気自動車をV2Hでつなぐ蓄電池として扱う方法を、電気自動車を住宅ローンに組み込む仕組みで解説しています。

大塚家具で買えばヤマダポイントもつく

家具を例に取ります。

お客さんは新築すればある程度の家具を買うことになりますし、何十年と住み続ければ大きな家具を買う機会もあるはずです。

そのときにお客さんの頭をよぎるのがグループ会社の大塚家具で、さらに「大塚家具で買えばヤマダポイントもつくぞ」という計算が加わります。

家具はどこで買ってもかまいませんが、お客さんは、どうせ買うならヤマダポイントをつけたほうが得だと考えます。そうなると、家具だけでなく銀行やリフォームなどのサービスもヤマダで統一したほうが得だという、ポイ活の発想が頭をもたげてきます。

Fホームとは半々の勝負

Hさん夫婦もまさにこの考え方で、中途半端にそろえるのではなく、すべてをヤマダグループでお世話になろうという考えが根底にあります。Hさん夫婦によると、ヤマダホームズが最終的な土俵に残っているのは、この考えがあるからだそうです。

ただし、Hさん夫婦はまだ結論を出しておらず、競合しているFホームに決める可能性も半分程度あるとおっしゃっていました。ヤマダグループの存在が住宅会社を決める主な理由にはなりえませんが、Hさん夫婦の判断の中でかなり大きな位置を占めているのは事実です。

ヤマダホームズと競合する住宅営業の商談の進め方

ポイ活は今や日本中に根付いていますが、ポイ活を住宅販売に結びつけるのは簡単ではありません。

ヤマダホームズはヤマダ電機という巨大な母体があるからこそポイントを使えるのであり、後発の住宅会社が真似をするのは不可能ですし、できたとしても得策とはとても言えないでしょう。

それでも、ヤマダホームズと競合する住宅営業は、ポイ活の存在を頭に置いて商談を進めたほうがいいと私は考えています。

ポイ活に興味がない住宅営業ほど自分の好みを切り離す

ポイ活に全く興味のない住宅営業は、「ポイントなんか俺は興味がない」となってしまいがちです。

しかし、住宅営業は自分の趣味嗜好と世の中の流れを分けて考えなくてはいけません。

住宅営業がヤマダホームズと競合する機会があれば、お客さんとの面談中に次のように聞いてみるのも面白いでしょう。

「ヤマダホームズさんのポイ活には興味がありますか?」

契約したお客さんへの取材から接客を見直す考え方は、ハウスメーカーの営業トーク事例で解説しています。

まとめ

ヤマダホームズを検討中のHさん夫婦に取材すると、候補に残した理由は性能やデザインではなく、ヤマダ電機のポイント、生活圏にある店舗への親近感、家電から家具、銀行までグループで完結することでした。

ヤマダホームズのポイント戦略は後発の住宅会社には真似できませんが、ヤマダホームズと競合する住宅営業は、ポイ活の存在を頭に置いて商談を進めることができます。ぜひ本記事のHさん夫婦への取材を参考に、ヤマダホームズと競合する商談でお客さんにポイ活への関心を聞いてみてください。

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