営業の評判を落とす住宅会社の対応|取材で聞いた3つの実例と対策

住宅展示場でプランを頼んだのに、営業社員から連絡が来ません。打ち合わせで間取りの要望を伝えても、営業社員は「うちはハウスメーカーの中で一番なんです」と繰り返すだけです。
こうした営業社員の評判の悪さは、大手ハウスメーカーでも起きています。私はお客さんを取材する中で、業界の誰もが知る大規模なハウスメーカーA社について、プラン依頼を2週間たっても放置された話や、契約後に訴訟寸前までもめて契約解除になった話を聞きました。
本記事では、A社で実際に起きた3つの事例をもとに、ハウスメーカーの営業の評判が悪くなる理由と、ネットの評判の読み方を解説します。
大手ハウスメーカーでも営業の評判が悪い会社がある
日本には、大手ハウスメーカーから準大手のハウスメーカーまで含めると、かなりの数の住宅会社があります。それなりの規模で営業している住宅会社なら、建物もデザインもアフターサービスも一定の水準にあり、営業社員も訓練を受けて高いサービスを提供している……はずです。
しかし、私がお客さんの声を聞いていると、こうしたハウスメーカーの中にも営業社員の評判が悪い会社が複数あります。
社名は出せないのでA社としますが、A社は業界の人間なら誰もが知る大規模なハウスメーカーです。
もちろん営業社員の対応は人によりますが、営業社員への不満が出る割合が比較的高いメーカーは、A社以外にも5社程度あると私は分析しています。
不満が出る理由は住宅会社ごとに違いますが、A社では3つの場面でお客さんの不満が出ていました。
プラン依頼を放置するハウスメーカー営業の評判(住宅展示場の事例)
2週間後のイベントでもプランが出なかった来場客
A社の住宅が気に入って、住宅展示場や現場見学会に足を運ぶお客さんは相当数います。
私が話を聞いたお客さんも、事前に調べてA社を気に入り、予約なしで住宅展示場を訪ねた方でした。
そのお客さんは営業担当といろいろ話したうえでプランを出してほしいと伝えましたが、営業担当は「後ほど連絡します」と言ったきり、連絡をよこさなかったそうです。
2週間ほどしてイベントのチラシが入り、そのお客さんがイベントに行くと、たまたま同じ担当者がいました。お客さんは改めて担当者に要望を伝えましたが、担当者は生返事をしたうえで、やはりプランを出さなかったとのことです。
営業の常識としても社会人の常識としても考えられない対応ですが、A社については同じような話を、私はあちこちで聞いています。
お客さんが多く、時間のかかる客を避ける営業
私はA社の営業手法をよく知っていますが、ひと言でいうとかなり荒い営業です。
A社は他社と比べてお客さんの数が多いと思われ、営業社員1人あたりのお客さんの数も他社より若干多いため、営業社員が目の前のお客さんをしゃかりきに追う必要がないのだと私は推測しています。
その分、A社の営業社員は、ややこしいお客さんや時間がかかりそうなお客さんを避ける傾向にあります。
住宅業界では昔から、出会ってすぐ契約できるお客さんを「パックン」とふざけて呼ぶ人もいるようで、A社の営業社員はこうしたお客さんを探し続けています。
営業社員としては、ややこしい案件より簡単に契約できるお客さんのほうがいいに決まっているので、そう思う気持ちは当然です。
それでも、プランを頼まれて放置するのは、ふざけた対応としか言いようがありません。
住宅営業の側で、依頼を受けた後の連絡を口下手な営業社員でも続けやすくする方法は、住宅営業のお礼状とショートメールの使い方で解説しています。
「我が社は素晴らしい」と言う営業の評判(A社を断った客の取材)
私は相当数のお客さん取材をこなしていますが、A社を断ったお客さんに話を聞くと、面白い内容がこぼれ出てきます。
「とにかく我が社は素晴らしい!」
A社にはこのように大見えを切る営業社員が多いらしく、お客さんはそのあまりに自信ありげな態度にへきえきしたそうです。あるお客さんは、私の取材にこう答えました。
「まずはこちらの要望を全然聞かないんですよね。とりあえず、間取りの要望とか住宅設備機器の話をするんですけども、それらについては生返事をするだけで、二言目にはうちはとにかくハウスメーカーの中で一番なんです!とやたら強調するんです。ただ、その態度に私も妻も嫌気がさしたんですよ」
要望を聞かずに自社の自慢だけを続ける営業社員の話を、私は実際にかなり耳にします。
A社はこの傾向が特に強いのですが、他のハウスメーカーにもこの手のレベルの低い営業社員は結構います。
他社の悪口を言う営業社員もいまだにいるので、私は住宅会社の教育体制を疑わざるを得ません。
こうした基本的な営業教育が行われなくなっているのが、今の大手ハウスメーカーの現状だと私は思います。
要望を聞かずに他社をけなす営業とは逆に、お客さんに好かれる営業の行動は、ハウスメーカー営業がモテる理由で解説しています。
契約したお客さんへの取材から分かった、要望を聞く接客の違いは、ハウスメーカーの営業トークと奥さんへの接客で解説しています。
契約後に訴訟寸前までもめたA社の事例
営業が荒いハウスメーカーは、それに伴って契約後のクレームも多くなります。
A社と契約したあるお客さんは、契約後に大きなトラブルに巻き込まれ、最終的に訴訟寸前までいきました。
そのお客さんの不満は、内容を少しぼかしてまとめると4点ありました。
- 担当営業がうそをつく
- 打ち合わせが全然進まない
- 営業に連絡しても返事すらない
- 要望したはずの内容が入っておらず、後から追加の嵐になる
4点の根本は、担当営業がうそつきだったことにあると私は思います。その担当営業は結果的にかなりいい加減だったらしく、口八丁手八丁で、契約さえ取れれば後は野となれ山となれというタイプだったのでしょう。
営業社員に連絡しても返事がなかなか来ないという話は、にわかに信じがたいかもしれませんが、決して珍しいケースではありません。
連絡が来ない、約束を忘れるといった対応で営業が信用をなくす原因と、住宅会社が取るべき対策は、住宅営業が信頼を失う原因で解説しています。
このお客さんの件は裁判にはなりませんでしたが、大もめにもめたあげく、最終的に建築請負契約は解除になりました。A社はそれなりに業績を上げている住宅会社ですが、この調子で行くとクレームが噴き出し、会社に大きなしっぺ返しとして返ってくると私は予想しています。
ネットの評判が割れるハウスメーカー
大絶賛の口コミは営業と波長が合った事例
A社は今ひとつ評判がよくありませんが、ネットをのぞくと、A社を大絶賛する人がそれなりにいるのも事実です。
私から見ると、大絶賛はたまたまうまくいった事例で、お客さんと営業社員の波長が合ったからにほかならないと読んでいます。
慎重に物事を進めるお客さんや、細かいことにまで言及するお客さんが相手だと、A社はトラブルを起こす可能性が大いにあるというのが私の考えです。
ネットに評判の悪い書き込みをされたときに住宅会社が取るべき行動は、悪い口コミへの住宅会社の対応で解説しています。
まとめ
大手ハウスメーカーでも、営業社員の評判が悪い会社はあります。A社では、プラン依頼の放置、要望を聞かない自社自慢、契約後の返事のなさと要望の抜けという3つの場面で不満が出ており、契約後の件は訴訟寸前までもめて契約解除になりました。
ネットで大絶賛する人がいるA社でも、慎重なお客さんや細かいことを確かめたいお客さんが相手だと、トラブルになる可能性が大いにあると私は考えています。
ぜひ本記事の3つの事例を参考に、建築請負契約の前に営業担当の対応を確かめてください。



