住宅営業の新人育成|新卒で1番伸びたA君が7か月で6棟売った習慣

私が2020年4月に新卒研修を担当した住宅会社のA君は、4月から8月まで契約ゼロでした。それでも9月から3月の7か月で、注文住宅4棟・建売2棟の合計6棟を売りました。
直属の店長に1年間の動きを聞くと、A君は1年目から3つの習慣を続けていました。メールやLINEでのマメな連絡、「ペン先で失礼します」と断るほどの丁寧さ、パソコンで作る精緻なプレゼン図面です。
本記事では、A君の1年目を店長への聞き取りからたどり、住宅営業の新人育成で上司や住宅会社が手を貸せる点を解説します。
住宅営業の新人育成を担う新卒研修(2020年・2021年)
2021年に3社で行った新卒研修
私は毎年4月になると、住宅会社各社から新卒者研修を依頼されます。
2021年度は4月から6月にかけて、3社の新卒研修を行いました。
私が担当した中には新卒を1名だけ採用した小規模の工務店もありました。
いちばん規模が大きかったのは新卒40名を採用した全国規模の住宅メーカーで、私はZOOMも含めてびっちり研修を行いました。
2020年度も同じように、私は複数の住宅会社から新卒研修を依頼されています。
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4日間の予定が1日になったA君の研修(2020年4月)
私がA君と出会ったのは、ある住宅会社で2020年4月に行った新卒研修です。
研修は全部で4日間の集中コースの予定でしたが、2020年4月7日に緊急事態宣言が出たため、住宅会社は当初の予定を短縮しました。
その結果、研修は4月2日の1日だけになりました。
そのため、私がA君と直接会ったのは研修の1日きりです。
その後、私はA君とZOOMやメールでちょこちょこと連絡を取っていました。
リアルで顔を合わせたのはA君が2年目に入った2021年で、1年ぶりの再会でした。
1年目の新人住宅営業A君が9月から7か月で6棟売るまで
A君は、私が2020年度に新卒研修を担当した新人の中で最も伸びた営業社員です。
A君の2020年度の契約棟数は合計6棟で、昨今の平均値から見れば優秀な数字です。
しかも契約は年度の後半に集中しており、A君は入社した4月から8月まではタコ(契約ゼロ)でした。
9月から3月の7か月で6棟を売ったペースを見れば、まぐれではないと私は予測しています。
私はA君に1回しか会っておらず、日ごろの活動を同じ事務所でつぶさに見ていたわけでもありません。
それでも私は研修で会ったときの雰囲気や受け答えから「この子は悪くはないな」と感じ、そのことを社長にも直接伝えていました。
2020年度の後半にA君が毎月のように売り始めたと報告を受け、私は「やっぱりA君は売り出したな……」と思いました。
2021年に再会したA君は、スーパー営業マンの臭いを発し始めていました。
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店長に聞いた新人A君の「メール魔」ぶり
A君が所属する住宅展示場には、トップである店長がいます。
2021年に、私はその店長からA君の1年間の動きを事細かく聞きました。
できる営業マンによくあるパターンがマメさで、A君もこのマメな営業マンの部類に入る人物でした。
私「A君はどんなマメさを発揮したのですか?」
店長「メール魔です(笑)。いつもスマホを片手に、何やらゴソゴソとメールだかLINEだかをやっているのですよ」
私「LINEは使用OKな決まりなのですね?」
店長「そのあたりは店長裁量になっています」
初回アンケートでメールアドレスを書いてもらう
メールもLINEも、営業社員が初回面談でお客さんとアドレスを交換しないと始まりません。A君の住宅会社は、初回面談時のアンケートでメールアドレスを漏れなく聞き出すよう営業社員に指示しており、A君はそれを忠実に実行していました。
初回のアンケートでは、お客さんがメールアドレスを書かないことが多くあります。そこでA君は、「アドレスをお持ちでしたら是非お書きください」と強めに迫ったそうです。
初回接客でLINE交換を提案し、電話もためらわない
A君は初回の接客で多少こなれた雰囲気になると、「LINEを交換しませんか?」と臆することなく提案していたそうです。
私も以前は、初対面の営業社員とのLINE交換にお客さんは抵抗を感じるのでは……と思っていました。
しかし実際には、気兼ねなくLINE交換に応じるお客さんが多いことに私は気づきました。
店長によると、A君はメールやLINEだけでなく電話も気軽にかけ、電話でのやり取りが実にうまいそうです。私はA君の電話を生で聞いたわけではないので何とも言えませんが、店長は「とにかく臆することなく電話をするのですよね」と評価していました。
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「ペン先で失礼します」と断る新人の丁寧さ
「ペン先で失礼します」と聞いても、私は最初、店長が何を言っているのかよく分かりませんでした。
A君は図面をボールペンの先で指し示すとき、お客さんに「ペン先で失礼します」とわざわざ断りを入れるそうです。
つまりはバカ丁寧ということです。
私はこんなことを言った記憶はありませんし、今から営業マンをやるとしても言わないでしょう。
ただ、誤解しないでください。
私はバカ丁寧な言葉遣いに意味がないと言っているのではなく、私のキャラクターに合わないからやらないというだけの話です。
店長の話では、A君はすべてにおいて気を遣いすぎるくらいの対応をするそうです。
それでもA君はお客さんにうざったく感じられないキャラクターなのだと、私は結論付けました。
そう考えると、バカがつくくらいの丁寧な対応も、成績を上げる手段の一つと言えなくもありません。
プレゼン図面をパソコンできれいに仕上げる若手の資料づくり
A君は若いこともあるのでしょうが、プレゼンテーション用の図面をパソコンでとてもきれいに作成するそうです。
私も実物を見せてもらいましたが、私には到底できない芸当のレベルでした。
しかもA君はプレゼン用の図面をいとも簡単に作ってしまうらしく、私は驚きました。
私の時代は、資料作成にトロトロと時間をかけていると、上司から「そんなことで仕事をした気になるなよ!」と怒られたものです。
しかし、よくよく考えると、プレゼンの仕上がりが受注の成否を決めるといっても過言ではありません。
なので、営業社員が資料づくりに時間をかけても全く問題はないと私は考えています。
私にA君ほどのスキルはありませんが、プレゼンテーションに命を懸けることには大賛成です。
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まとめ
2020年度の新卒で最も伸びたA君は、研修を1日しか受けられなかったにもかかわらず、9月以降に毎月のように契約を取りました。店長が挙げたA君の習慣は、メールやLINE、電話でのマメな連絡、「ペン先で失礼します」と断るほどの丁寧さ、パソコンで作る精緻なプレゼン図面の3つです。
A君の3つの習慣のうち、アンケートでのアドレス取得は住宅会社の指示を忠実に実行したものでした。一方、丁寧な言葉遣いや資料づくりは、A君のキャラクターやスキルによるところが大きい習慣です。
ぜひ本記事のA君の3つの習慣を参考に、自社の新人が初回接客で何をしているかを店長と一緒に確かめてください。



