工務店の見積もりの諸経費はどう説明する?内訳と平米単価の根拠

工務店の見積もりの諸経費はどう説明する?内訳と平米単価の根拠

工務店が図面と見積もりを出すと、お客さんは図面に見入る一方で、見積書にも鋭い視線を投げかけます。総額だけを見て中身をほぼ見ない人もいれば、目を皿のようにして一つ一つの項目をチェックする人もいます。

お客さんが質問してくる項目は、見積書の最後に書かれた諸経費と、クロスなどの平米単価です。私は積水ハウスに入社した1年目に、総額1,945万円の見積もりで諸経費の意味を聞かれて答えられず、そのお客さんは離れていきました。

本記事では、工務店の見積もりで諸経費と平米単価を突かれたときに困らないための、見積書の書き方と説明の準備を解説します。

工務店の見積もりで諸経費が疑問を持たれる理由

工務店やハウスメーカーによって見積もりの出し方はさまざまですが、一般的によく見られるのが、最後に「諸経費10%」などと書いた項目です。

住宅業界では諸経費を計上するのは当たり前でも、お客さんの目には中身の分からない怪しいブラックボックスに映ります。

そう映るのは至極当然だと私は思います。

諸経費を説明できなかった住宅営業1年目の体験談(積水ハウス時代)

総額1,945万円の見積もりで諸経費を聞かれた

私は積水ハウスに入社した1年目、初めて自分だけでお客さんに見積もりを提出したときに、諸経費を突かれて右往左往しました。

私「こちらが今回のお見積もりになります。総額が1,945万円ですね。中の明細はこのような感じになっております」

私は深く考えることもなく、見積もりの中身を事前にほとんど精査しないまま、お客さんの前で話し始めました。

そもそも当時の私は、見積もりの詳細を読んでもよく意味が分かっていなかったのです。

今考えればでたらめな話ですが、そのときの私は出たとこ勝負でいきました。

ご主人「1,945万円なんだ。価格はこんなところだよね……(見積もりの詳細をパラパラと見ながら)……ん?最後にあるこの諸経費っていうのは何?」

私「諸経費……えっとですね……いろいろとやはり必要な経費がございまして……えーっと、まぁ、とにかくいろいろ必要な諸経費だと考えてください」

意味不明な答えですが、私はこんな返答をしたことを今でもはっきり覚えています。

このお客さんは飛びましたし、それも当然の結果です。

私は商談の間、まともにお客さんの目を見ることができませんでしたが、それは自分の説明がおかしいことを私自身がいちばんよく分かっていたからです。

積算部の先輩も説明に困った

翌日、私は積算部の先輩に「諸経費というのはどう説明したらいいのですか?」と聞きに行きました。

ところが、先輩の答え自体も結構あいまいでした(笑)。

「これどうやって説明したらいいかなあ……うーんと……」

先輩は終始こんな調子で、私は結局分からずじまいでした。

見積書の諸経費は一式にせず内訳を書く

お客さんの不信感を一気に大きくするのが、諸経費を一式でまとめてしまう書き方です。諸経費自体が怪しげに見えるうえに、一式という言葉でくくってしまうと、お客さんの不信感は手が付けられないほど大きくなります。

内訳は最低10項目ほど書き出す

工務店は見積書に諸経費と書いたうえで、その内訳を明示してください。内訳には、作業車両のガソリン代、文書通信費、作業車両の償却費、工程看板の取り付け費、労務管理費などの項目が入ります。

細かく書いていけばきりはありませんが、私は最低でも10項目ぐらいは出して、お客さんに説明してほしいと考えています。諸経費を一式とひとくくりで計上する工務店が多い中で、内訳を書くところまでやれば、その工務店は最低のラインをクリアしたと言えます。

各項目の金額は概算で書けるなら書く

お客さんの中には、「それぞれの項目がいくらぐらいかかるのか書いてほしい」と言う人も現れますが、そこまで応えるのは工務店にとって大変です。諸経費の相場は10%程度ですが、実際には5%で済む工事も、20%程度かかってしまう工事もあります。

そのため、細かい項目ごとに諸経費の金額を書くのは、事実上ほぼ不可能だと私は思います。それでも可能であれば、工務店は概算でかまわないので各項目の金額を書いてあげてください。

項目ごとに数量と単価を入れて金額や消費税を自動で計算できる書式は、工事見積書のExcelテンプレートで解説しています。

見積もり提出時に諸経費の意味を説明する

内訳をどこまで詳しく書いたかにかかわらず、工務店の担当者は「諸経費はこういう意味です」という説明をお客さんに口頭でしてください。

お客さんから聞かれなくても、この説明は省けません。

その場でお客さんが「諸経費って何ですか?」と聞いてくれればよいのですが、聞かれないのをこれ幸いと説明を飛ばすのは危険です。

見積書の表紙に書く項目や条件書の作り方、提出時に中身を説明するときの注意点は、工務店の見積書の書き方で解説しています。

お客さんは自宅の食卓で見積書を見直す

お客さんは自宅に帰った後、もう一度その見積書を食卓の上に出して、夫婦二人で眺めるはずです。

「あれ?さっきは気付かなかったけど、ここに書いてある諸経費ってなんだ?しかも金額が180万円って書いてあるぞ。諸経費で180万円ってなんなんだよ?」

この流れは最悪で、担当者に対するお客さんの不信感が倍増する瞬間です。

クロスの平米単価は根拠を話せるように準備する

ネットの単価と比べられるクロスの見積もり

工務店の見積書には、クロス工事をはじめ、さまざまな工事で平米単価の項目が出てきます。

お客さんは標準的な単価など分からないので、これまでは「これってどうなのかなぁ」と思いながらやり過ごす人が多かったと私は思います。

ところが最近では、平米単価に食いついてくるお客さんが本当に増えました。

代表的なのがクロスの平米単価です。

たとえば工務店が見積もりの中に子ども部屋という項目を作り、その中にクロスを計上したとします。

工務店が使用するクロスの品番を書き、〇〇平米使用して合計でいくらという形で見積もりを出しても、お客さんがネットで調べれば同じような工事の金額はすぐに分かります。

お客さんはその金額と比べて「この平米単価は少し高くありませんか?」とねじ込んでくるので、現場の苦労は私もよく分かります。

見積もり提出前にネットの単価と比べておく

工務店がお客さんに出した見積もりのクロスが平米3,000円で、同じようなものをネットで調べると「平米単価2,000円が普通です」と書かれていたとします。

するとお客さんは、単純に「ネットに書いてあった単価よりも1,000円も高いよ」と受け取ります。

工務店が誠実に単価を出していても、お客さんからすれば「吹っ掛けられた」となってしまいます。

そのため、担当者は見積もりを出す前に、記載した平米単価がネットに流れている情報と合っているか、安いのか高いのかを調べておいてください。ここを突かれたときに、相手が納得するよう理屈立てて説明できる準備だけはしておく、というのが私の結論です。

まとめ

工務店の見積もりでお客さんが疑問を持つのは、諸経費と平米単価です。

諸経費は一式でまとめず内訳を10項目ほど書き、聞かれなくても提出時に意味を説明してください。

クロスなどの平米単価は、お客さんにネットの単価と比べられても根拠を話せるように、提出前に調べておくことが欠かせません。

ぜひ本記事の見積書の書き方と説明の手順を参考に、次に出す見積書の諸経費の行と平米単価を見直してください。

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