住宅展示場のディスプレイ活用|ショウルーム生配信の実例

住宅展示場のディスプレイ活用|ショウルーム生配信の実例

住宅展示場の来場者はコロナ第三波の影響で再び激減し、待機する住宅営業マンは暇を持て余しています。

営業マンが折衝中のお客さんを「Panasonicさんのショウルームを見学しませんか?」と誘っても、簡単にはOKがもらえません。

メーカーショウルームは使用料がかからず、営業マンがショウルームから生配信すれば、お客さんは自宅のパソコンの画面越しに設備を見学できます。九州のある企業では、WEBによるショウルーム見学数が前年のリアル見学数を上回り、契約数と契約金額も伸びました。

本記事では、大手住設メーカー役員の話と九州の実例をもとに、ショウルーム生配信の方法と配信時の注意点を解説します。

住宅展示場の来場減で住設メーカーが求めるショウルーム活用

来場者の減少は住宅展示場だけで起きているわけではありません。住宅設備機器のショウルームでも同じことが起きていて、TOTO、Panasonic、サンウェーブといったメーカーもみんな困っています。

8月初旬、私が深く関与する全国区のリフォーム団体が、「バーチャルショウルーム見学会でリフォーム受注を取る」というWEBセミナーを開きました。このセミナーは、大手住設会社の全面協力を受けて実施しました。

大手住宅設備機器会社の役員A氏の話

私は、誰もが知る超大手住設会社の役員A氏と2年前から面識があります。A氏はコロナの状況について、こう話していました。

「コロナ禍でみんな困っています。我々のショウルームもお客さんの来場は減りました。エンドユーザーの方はもちろん減りましたが、工務店さんが折衝途中のお客さんを連れてくる機会もめっきりなくなってしまいました」

来場が減るのは当然で、他の住設会社に聞いても同じような答えが返ってくるはずです。A氏はそのうえで、住宅会社への期待を強く口にしました。

「私たちとしてはエンドの皆さんにはそろそろ動いてほしいのですが、住宅会社の方々にも積極的にショウルームを活用してほしいのです」

メーカーショウルームの使用料はかかりません。住宅会社が無料で使える素晴らしい施設を使わないのは、大きな機会損失だと私は考えています。

展示場を持たない工務店こそメーカーの担当社員に相談する

メーカーがショウルームを使ってほしいと考えている状況は、工務店やハウスメーカーの営業マンにとっていい話です。とくに住宅展示場やショウルームを所有していない工務店は、絶好のチャンスだと考えるべきです。

仮に私が、展示場を持たない小規模工務店の経営者だとします。この工務店はこれまで現場見学会や紹介で契約を積んできたものの、コロナの影響と新築減少のあおりを受けている状態です。

現場見学会でお客さんを集める工夫は、構造現場見学会の集客の工夫で解説しています。

この状態で工務店が打てる作戦の一つが、ショウルームの活用です。私が経営者であれば、すぐに面識のあるメーカーの担当社員に連絡を取り、ショウルームを活用する方策を練ります。

住宅営業がディスプレイ越しにショウルームを案内する3つの方法

TOTO、Panasonic、サンウェーブ、LIXILと、ショウルームを持つ住設メーカーはたくさんあります。メーカー側の了解を得ることが前提ですが、住宅営業マンはこれらのショウルームを使い、お客さんの画面越しに設備を案内できます。

営業マンがショウルームに出向いて生配信する

営業マンがショウルームに足を運び、そこからお客さんに向けて生配信します。通常の誘い文句ではショウルーム見学のOKは簡単にとれず、コロナ問題を抱えるなかでは、お客さんに現地へ足を運んでもらうことがますます難しくなっています。

生配信は、コロナ問題で二の足を踏んでいるお客さんに最適な手法であるうえ、平常時に動かないお客さんにも有効です。

「ショウルームに行くのは面倒くさいし、冬だから寒いしな……」と思っているお客さんにも、営業マンは「ご自宅のパソコンの前に座っていてもらえば大丈夫ですよ!」と勧められます。

私は、ある大手住設メーカーのショウルームと私の自宅をつないで、シミュレーションビデオを撮影しました。

営業マン役の社員さんがショウルームから私を案内するという設定で、これが実にいい出来でした。

私が工務店経営者や営業マンであれば、早速実行します。

営業マンが事務所にいたまま3者間でつなぐ

お客さんが自宅にいるのはもちろん、営業マンも事務所にいたまま配信できます。ショウルームスタッフは少し大変ですが、営業マン、お客さん、ショウルームスタッフの3者をネットでつないで、スタッフがショウルームを案内します。

システムとしては何の問題もありません。営業マン本人や社内に詳しい人がいなければ、ショウルームスタッフに聞けば丁寧に教えてくれるはずです。

ディスプレイ越しにお客さんと話す商談の進め方は、住宅営業のリモート商談のコツで解説しています。

名簿客と新規客に向けて不特定多数に配信する

営業マンが追っているお客さんだけを対象にする生配信のほかに、不特定多数に向けた生配信も検討する価値があります。すでに名簿化されているお客さんに加え、新規のお客さんも対象にすればよいのです。

参加者は2~3人という寂しい結果に終わるかもしれませんが、10人も参加してくれたら大成功です。

しかも、かかる経費はほぼ0円ではないでしょうか。

配信の告知に使うSNSの運用は、ハウスメーカー・工務店のSNS集客で解説しています。

住宅営業マンに限らず、不動産営業マンにとっても、ショウルームの生配信は顧客サービスや新規客獲得のイベントとして成立すると私は感じています。

ディスプレイ越しの見学が前年のリアル見学を超えた九州の事例

九州とだけさせていただきますが、ある企業(リフォーム会社ではありません)は、自社敷地内にリフォーム受注を目的としたショウルームを持っています。この企業にはリフォーム部隊があり、コロナ禍の前は営業マン一人につき「ショウルーム案内の月ノルマ〇〇件」という、ごく普通の営業をしていました。

社長の思いつきでリモート案内に切り替えた

ところが世の中が激変し、お客さんをショウルームへ呼べる空気ではなくなりました。

そこで社長は「リモートでショウルーム案内ができるんじゃないの?」と思いつき、すぐに実行に移します。

社長は社内で模擬練習を徹底的に行わせたうえで、集客を始めました。

営業マンが集客活動を始めると、成果はすぐに表れました。

WEBによるショウルーム見学数が、前年のリアルショウルーム見学数を上回ったのです。

当然、リフォームの契約数と契約金額も上がりました。

私は社長から直接この話を聞きましたが、社長は「びっくりですよ。こんなことならもっと早くやっていればよかった」とホクホク顔でした。

「実際に見てみたい」というお客さんの声が増えた

契約が伸びた一方で、予想外の効果もありました。WEBで案内したお客さんから、「WEBもいいけど実際に見てみたいな」という声が聞かれ始めました。

WEBでも設備の様子は分かりますが、映像は4Kや8Kの画質ではありません。

受け手側の環境の問題もあり、お客さんの画面ではあまりきれいに見えないケースも多々あります。

WEB案内と実物の見学の相乗効果もあったのでしょうが、とにかく売り上げが伸びたのは事実です。

実物を見に来たお客さんに浴室や脱衣洗面所を案内するときの接客は、住宅展示場の風呂の接客で解説しています。

大手住設メーカーのショウルームで生配信するときの注意点

九州の企業は自社ショウルームを使っているので、何の気兼ねもいりません。一方、住宅会社が大手住宅設備会社のショウルームを使う場合は、相手方の承諾が取れても、いろいろと注文が付くので注意が必要です。

「生配信は弊社としても大いに構わないのですが、他のお客さんが来場されているときに映像に映りこむのは避けていただきたいのです」

メーカーのこの心配は至極当然です。とくに大手企業はコンプライアンスの問題に敏感なため、こうした心配が出てきます。

まとめ

住宅展示場の来場が減るなか、住設メーカーは住宅会社にショウルームを使ってほしいと考えていて、使用料もかかりません。住宅営業マンは、ショウルームから生配信する、事務所から3者間でつなぐ、不特定多数に配信するといった形で、お客さんに足を運んでもらわなくても設備を案内できます。

九州の企業ではWEBによる見学数が前年のリアル見学数を上回り、実物を見たいというお客さんも増えました。大手メーカーのショウルームを使うときは、他の来場者が映り込まないようにといった注文が付くので注意が必要です。

ぜひ本記事のショウルーム生配信の方法と九州の実例を参考に、面識のある住設メーカーの担当社員に連絡を取ってみてください。

あなたへのおすすめ