展示場の階段の接客|リビング階段の利点・欠点と事故データの話し方

展示場の階段の接客|リビング階段の利点・欠点と事故データの話し方

住宅展示場の接客で、階段をきちんと説明している住宅営業は、おそらく皆無に近いと思います。

私も現役時代は、1階の案内を終えると「お二階へどうぞ」と言って無言で階段を上り、「こちらが二階のホールです」と続ける流れで接客していました。

お客さんに聞かれたときだけ、階段の質問に答えていました。

リビング階段では、家族が玄関から自室に戻るときにリビングを通るので、家族間のコミュニケーションを保ちやすくなります。その反面、子どもの友達や来客もリビングを通るため、リビングを片付けておく必要が出てきます。

本記事では、リビング階段のメリット・デメリットの伝え方と、勾配・階段の種類・安全性まで含めた住宅展示場での階段の接客を解説します。

リビング階段のメリットとデメリット(住宅展示場で話す基本)

リビング内階段はすでに一般的な間取りなので、お客さんも話についてきやすい話題です。住宅営業が展示場の階段で使えるネタの一つが、「リビング内階段は人気ですが、利点と欠点があります」という切り出しです。

メリットは家族のコミュニケーションを保ちやすいこと

リビング階段では、子どもを含めた家族が玄関から2階の自室へ上がる前に、家族のいるリビングを通ることになります。

住宅営業は、基本的にはこの話をすれば十分です。

この話をすると、お客さんからは「そうですよね」という答えが返ってきます。

デメリットは子どもの友達や来客がリビングを通ること(一級建築士の自宅の例)

家族のコミュニケーションといえば聞こえはいいですが、無理にリビングで家族の接点を作る必要はないとも言えます。また、私は50代の女性一級建築士から、こんな話を聞いたことがあります。

「私の家もリビング内階段なんですけどね、高校生の息子が友達を連れて家によく遊びに来るんですよ。そのたびにリビングを通って二階に上がることになるのである程度片付けておかないとみっともないでしょ?」

たしかに、この建築士のおっしゃるとおりです。

建築士の家では、結果的にちょっとしたついたてを購入し、階段とリビングの間に目隠しとして置く羽目になったそうです。

住宅営業は、利点と欠点としてこの2つの話を最低限頭に入れておき、あとはここから話を広げれば十分です。

子育て世代のお客さんに、リビング内階段を含めて子どもの成長を考えた間取りをどう提案するかは、子育て世代向けの間取りの提案事例で解説しています。

住宅営業がリビング階段の利点と欠点を覚えておく理由

私が見てきた住宅営業の現場では、営業社員がリビング内階段をごく簡単に説明するか、「リビング内階段かそうでないか、どちらをご希望ですか?」と聞くだけで終わっていました。

お客さんが答えた後、営業社員とお客さんの間にその先の会話がないのです。

私は、リビング階段の利点と欠点を接客のたびに話せと言っているわけではありません。

住宅営業は、階段に限らず展示場のあらゆる場所について利点と欠点を覚えておき、お客さんの顔色とその場の空気を見ながら切り出してほしいのです。

展示場以外で接客の切り出し方を考えるときの例は、住宅営業の初回接客のコツで解説しています。

階段の勾配と段数で将来の足腰の不安に答える

住宅営業が階段で話せる話題は、リビング階段だけではありません。私は、たとえば次のようなトークを用意しておくことを勧めています。

「この展示場は一般的な段数である〇〇段ありますが、ご希望があれば18段程度の緩い階段を作ることも可能です。階段が緩いことによるメリットは非常に大きく・・・」

もちろん、このトークは営業社員の勤める住宅会社が緩い階段に対応できることが条件です。

対応できるとしても、それで値段が跳ね上がるようでは意味がありません。

それでも、他社の営業社員が階段の段数や勾配について語るケースはほぼ皆無なので、あなたが階段のことを語る意味は十分にあります。

とくに、お客さんが高齢者との同居を検討していたり、年を取ったときのことを考えて2階建てか平屋かで悩んでいたりする場合に、住宅営業が次のひと言を言えるかどうかで差がつきます。

「将来的な足腰のご不安があるのならば階段の勾配を緩く作るやり方もありますよ。お考えになってはいかがでしょうか」

住宅営業以外の方は「普通にそんなことを話すのでは?」と思われるかもしれませんが、現場をつぶさに見てきた私は、はっきり否定できます。

こんな何気ない言葉を営業社員が現場で話すケースは、まれなのが現実です。

鉄砲階段と回り階段、踊り場の有無で安全性を話す

住宅の室内にある階段

住宅の階段は安全であるべき場所であり、家庭内事故が多く起きる場所でもあります。お客さんが高齢者と同居するかどうかに関係なく、住宅営業は階段で安全性の話だけは外さずにしたいところです。

住宅の階段の形は、まっすぐ上がる鉄砲階段と、途中で向きを変える回り階段の2種類が基本です。住宅営業は細かく解説しなくてよいので、階段にはこの2種類があることをお客さんに伝え、どちらの形でも途中に踊り場を設けるかどうかの話をしてください。

私は、このレベルの話を最低ラインに置いてほしいと考えていますが、おそらくこの程度の話をするだけで他社の営業社員との差別化になります。住宅営業は、階段に差しかかったら簡単な定番トークでもいいので、お客さんに話を振ってみましょう。

展示場の階段をお客さんが撮影し、その写真がSNSで広まった事例もあり、階段のビスを写した投稿から和解までの経緯や写真撮影とアンケートの扱いは、住宅展示場のSNS投稿への備えで解説しています。

階段の家庭内事故データを接客用に用意しておく

健康長寿ネットのホームページによると、自宅内で起こる家庭内事故のうち、65歳以上の事故が多く発生した場所の割合を、次の表に示します。

発生場所割合
居室45.0%
階段18.7%
台所・食堂など17.0%
玄関5.2%
洗面所2.9%
風呂2.5%
廊下2.2%
トイレ1.5%
65歳以上の家庭内事故の発生場所別の割合を示したグラフ

高齢者になると、居室に次いで階段での事故が多くなっています。階段の事故には死亡事故を含む重大なものも多いと推測できるので、お客さんに安全性を話す根拠として使えます。

似たようなデータはネットで調べれば簡単に手に入ります。住宅営業は、自分が使いやすいデータを出典を明示したうえでパソコンに保管したり、印刷してお客さんにすぐ渡せるようにしたりしておきたいものです。

まとめ

リビング階段には、家族のコミュニケーションを保ちやすいという利点と、子どもの友達や来客もリビングを通るという欠点があります。住宅営業は、この利点と欠点を頭に入れたうえで、お客さんの顔色とその場の空気を見ながら切り出してください。

階段では、勾配を緩くする提案、鉄砲階段と回り階段、踊り場の有無、家庭内事故のデータといった話題も使えます。他社の営業社員が階段をほとんど説明しない中で、こうした話をするだけで他社の営業社員との差別化になります。

ぜひ本記事のリビング階段の利点と欠点を参考に、住宅展示場の階段で話すひと言目を用意してください。

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