住宅営業の収納提案トーク|奥さんの心をつかんで競合に勝った事例

住宅営業の収納提案トーク|奥さんの心をつかんで競合に勝った事例

奥さんの心をつかむ収納提案は、収納量よりも、しまったものを探し出せるかと、衣類をどこにしまうかに答える提案です。長谷工の2019年調査でも「出し入れがしにくい」が4番目に多く、収納場所に困るものは衣類が58%で1位でした。

本記事では、収納提案で使える住宅営業のトークと、子供服の動線提案で競合に勝った女性営業T子さんの事例を解説します。

住宅営業の収納提案が奥さんの心をつかむ理由

収納提案が奥さんの心をつかむのは、住宅営業の鉄板ネタと言ってもいいでしょう。

今住んでいる家の収納に満足している人がどれだけいるかを考えれば、理由はすぐに分かります。

住宅展示場に足を運ぶ人も工務店のドアを叩く人も、基本的には全員が収納に困って悩んでいると考えて構いません。

その悩みに優れた解決案を出せれば、住宅営業はお客さんから強い信頼を得られ、建築請負契約につながる可能性が高くなります。

住宅営業が収納提案をする前には、家を建てる人が収納のどこに困っているかを押さえておく必要があります。

データを頭に入れているかどうかが、収納提案をする際の大きなポイントになるからです。

ここでは長谷工の2019年調査(2,780名が回答)の資料をお借りしました。

長谷工のアンケートのような数字を商談で示す使い方は、住宅営業のデータ活用の事例で解説しています。

この資料で私が着目してほしいのは、上から4番目に多かった「出し入れがしにくい」という回答です。

住宅会社の提案でよく見るのは、「収納をたくさんとりましょうね」「この建売は収納がたくさんあるんですよ」と収納量だけをアピールするやり方です。

ところが誰しも経験があるように、押し入れにしまったものを探し出すのに時間がかかったり、奥のものを取ろうとして手前のものを崩し、ぐちゃぐちゃにしてしまったりすることがあります。

住宅営業がここへの提案をできれば、ほぼ間違いなく奥さんの心をつかめるでしょう。

奥さんの信頼を得る住宅営業の収納提案トーク

住宅営業が商談で収納の話を切り出す場面のトーク例を紹介します。

営業「今の生活で収納にはお困りでしょう」

奥様「そうですよ。そもそも絶対量が足りないですし、家の中がどうしてもちらかっちゃうのですよね」

営業「収納量不足ももちろんですが、しまったものがどこにいったかわからなくなったり、奥にしまってあるものを取り出そうとして、前に積んであるものがぐちゃぐちゃに崩壊してしまうなどということはありませんか?」

奥さんが収納に困っていると話すのは当たり前なので、住宅営業はそこからどれだけ具体的に突っ込めるかで勝負が決まります。

最後の営業の問いかけが、お客さんの信頼を得る決め台詞です。

この質問に「いや……そんなことはありません」と答える奥さんはまずいないと、私は自信を持って断言します。

「収納の検索機能」という考え方

私はこの視点を「収納の検索機能」と名付けています。

収納量はもちろんですが、しまったものを的確に探し出せるかが大きな問題で、せっかく新築するのに収納量だけに焦点を当てて単なる箱をたくさん作るのでは話になりません。

長谷工の資料にある「出し入れがしにくい」も、私の指摘と意味は全く同じです。

この会話のあと、奥さんの中には住宅営業に対する2つの印象が残ります。

【この人はわかってくれている】

【収納に関する私の悩みを解決する術をこの人は持っているかもしれない】

衣類の収納提案で勝率を上げる工務店の手法

同じ長谷工の調査で「収納場所がなくて困っているものはどれですか」という問いには、衣類が58%でダントツの1位でした。

衣替えとついで買いで衣類は増え続ける

我が家でも事情は同じで、毎年の衣替えの季節になると、私の妻はしまい込む衣類をどこにどう収納するかで頭を抱えています。

衣類は気を許すと、どんどん増えていきます。

ユニクロなどの店で2,980円と書かれたフリースを手に取った人は、つい「とりあえず買っとこうかな」とカゴに入れてしまいがちです。

下着なども必要以上に買ってしまいますが、買う人は購入時に収納場所までは考えていません。

こうした買い物が、衣類があふれて収納場所がなくなる原因の一つでしょう。

困りごとの上位から潰す工務店コンサルの手法

工務店の生き残り策として具体的な営業手法を一つ挙げるなら、衣類をすっきり収める提案をすることが生き残りに役立つのは明らかだと私は思います。

私は工務店のコンサルティングを仕事にしていますが、取り入れている手法の一つが、こうしたデータを精査したうえで、お客さんが困っていることの上位から潰しにいくやり方です。

衣類はその上位の筆頭で、ここに答えられる工務店は競合との比較で勝率が上がります。

子育て中の奥さんと意気投合したT子さんの収納提案(東北の住宅会社)

東北地方の比較的大きな住宅会社に勤める女性営業のT子さんに、一年ほど前に聞いた話を紹介します。T子さんは、奥さんと収納の話で盛り上がったことが、競合に勝った受注のいちばん大きな成功要因になったと話します。

同年代の子供がいる奥さんとは意気投合しやすい

「私には幼稚園の息子がいるのですが、ほぼ同年代のお子さんをお持ちのお客さんが来た場合には奥さんと意気投合しやすいのですよ」

よくある話ですが、このパターンは確かに最強だと私も思います。

20代半ばの独身男性営業では、こうはなりません。

女性同士で、しかもお互いに小さな子供を抱えていれば、T子さんは育児と家事がどれだけ大変かという気持ちを奥さんと共有でき、そのメリットは大きいです。

奥さんへの接客の考え方はハウスメーカーの営業トーク事例で解説しています。

子供服は「脱がせる」から「着させる」までの動線で提案する

T子さんは、収納の話をこう続けます。

「子育てで大変なことはたくさんあるのですが、収納に限って話をすると、まずは下着を含めた子供の服ですよね。簡単に汚すので毎日のように洗濯機を回してそれを乾かしどこかに置くわけです。大人であればクローゼットにしまった服を自分でとって着るわけですが、子供の場合は自分でできないので、私が探し出してそれを着せなくてはいけません」

小さな子供がいる家庭では、服の収納スペースだけが問題になるわけではありません。

服を着るのは子供でも、クローゼットやタンスから服を取り出すのはお母さんである奥さんです。

そのため家には、奥さんが取りやすい場所にある収納と、子供に服を着させる場所の両方が必要になります。

子供服の扱いには、5つの工程があります。

  • 脱がせる
  • 洗う
  • 乾かす
  • しまう
  • 子供に着させる

子供のいる家庭にはこの工程が毎日あるので、住宅営業はしまう場所だけでなく、5つの工程をつなぐ動線を提案する必要があります。

T子さんがこの動線をお客さんに説明すると、奥さんは「うんうん!そうそう!」と共感してくれるそうです。

T子さんにはほかにもさまざまな営業トークがありますが、営業の核心は至って簡単で、「奥さんがいかに共感してくれるか」の一点だと言い切ります。

奥さんの共感を得る接客のしかたは、若い奥さんの心をつかむ工務店の接客で解説しています。

収納提案で差別化している住宅会社の取り組み

収納不足に困っている人が多いことは、どの住宅会社も知っています。

収納提案に力を入れた住宅会社がお客さんに支持されることも、多くの住宅会社が分かっています。

ところが住宅会社が中途半端な提案で済ませると、お客さんから「この会社の収納提案は中身がない」とバッサリ切り捨てられます。

そこに目をつけた某住宅会社は、収納専門の先生をアドバイザーとして迎え、契約後の打ち合わせに立ち会ってもらうなどして差別化を図っています。私が20年前からよく知っている住宅会社もこの手法を前面に出してアピールしており、お客さんのウケはすこぶる好評で、受注に成功する大きな要因の一つになっているほどです。

収納の専門家を顧問に迎えた住宅会社の事例とヒアリングの聞き方は、収納提案で住宅会社が選ばれる理由で解説しています。

まとめ

住宅営業の収納提案は、収納量を増やすだけでは他社と差がつきません。

「収納の検索機能」と衣類の置き場所、子供服の動線に答えたときに、奥さんは「この人なら悩みを解決してくれる」と感じてくれます。

T子さんが言い切るとおり、収納提案の核心は奥さんがいかに共感してくれるかにあります。

ぜひ本記事の収納提案のトークとT子さんの事例を参考に、次の商談で奥さんに「しまったものがどこにいったかわからなくなることはありませんか」と聞いてみてください。

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