新人の住宅営業が熱意で受注した体験談|質問に10倍で返す対応

新人の住宅営業が熱意で受注した体験談|質問に10倍で返す対応

担当営業の熱意を理由に、数千万円の住宅を任せてくれるお客さんはいます。

私が積水ハウスに新卒で入った年の5月に受注した初契約は、左官屋のご主人が「汗をかいて熱意を持ってやってくれた」ことをいちばんの理由にして選んでくれた23坪の平屋でした。2022年11月下旬に私が取材した契約客も、質問に10倍の情報で返してくれた営業に「感動しました」と話していました。

本記事では、新人の住宅営業が熱意で受注した2つの事例をもとに、お客さんに評価される熱意の示し方を解説します。

住宅営業の熱意は数千万円の受注理由になる

お客さんは、価格や性能、デザインも考慮して住宅会社を選びます。そのうえで「営業さんが頑張っているからね」という理由は、受注の成功理由の上位に必ず入ってきます。

新人の住宅営業は経験も知識もないので、間取りの提案力で受注を取るのはかなり難しいです。ところが不思議なもので、営業が熱意を示すと、それを評価して数千万円もの住宅を託してくれるお客さんが必ずいます。

お客さんが営業の熱意をどう評価して住宅会社を選んだのかは、契約客取材で分かった競合勝ち理由で解説しています。

新人の住宅営業が熱意だけで受注した初契約(積水ハウス時代)

県の住宅供給公社の分譲地に朝9時から張り付いた

私が積水ハウスに新卒で入った年の5月、県の住宅供給公社が開発した40区画ほどの分譲地での話です。その県の住宅供給公社は、現在はなくなっています。

私は上司の指示どおり、朝9時から夕方5時まで分譲地に張り付き、車で土地を下見に来るお客さんを追いかけていました。

分譲地には他のハウスメーカーも含めて7〜8人の営業が入り乱れていて、下見に来たお客さんに一番早く話しかけた営業が優先権を得るという暗黙の了解がありました。

そのため、どの営業もお客さんの車に猛ダッシュで駆け寄っていたのです。

お客さんも怖かったと思いますよ(笑)。

分譲地を下見に行ったら、7〜8人の住宅会社の営業が自分をめがけて全速力で集まってくるわけです。

営業が寄ってくるのを見たとたんにアクセルを吹かし、そのまま帰っていった車も、私は何台も目にしました。

夕方5時ごろ、団地に入ってきた車が目に入った私は、一目散に走り寄って、運転していた男性に声をかけました。

私  「こんばんは・・・この分譲地を・・・私が・・・ご案内させていただきます・・・はぁ、はぁ(と息を切らしながら)」

ご主人「うん?いや、ちょっと見に来ただけだから。自分たちで見るから大丈夫だよ」

私  「ただ、この分譲について私は詳しく勉強しておりますので、有益な情報やどの土地が抽選で当たりやすいかなどそんなことも持っておりますよ」

ご主人「そうなの・・・まぁいいか、じゃあ、話を聞こうかな」

私の記憶では、だいたいこのようなやり取りでした。

私はご夫婦に車を降りていただいて分譲地をあれこれ説明し、他社の営業に食いつかれないよう気を付けながら、お二人を見送りました。

分譲地でのお客さんへの話しかけ方と立地の説明の仕方は、住宅営業の初回接客のコツで解説しています。

翌日の自宅訪問で奥さんに「頑張りなさいよ」と声をかけられた

分譲地にいた営業の中で、このお客さんの住所と電話番号を知っているのは私だけでした。

私が電話で「分譲地に関するもう少し詳しいお話を私からさせていただきたいのですが、お時間を取ってもらえませんか?」とアポイントをお願いすると、すんなり了解を得られ、私は翌日にご自宅へ伺いました。

ご自宅でいろいろな話をする中で、当時60代だったご夫婦の奥さんが、私にこう声をかけてくれました。

「あなた新入社員でしょ?一生懸命汗流しながらやっているわね。頑張りなさいよ」

この後もいろいろありましたが、結果的に競合は全く入らず、私は23坪の平屋を受注することができました。

左官屋のご主人が新人を選んだ理由は熱意だった

折衝の後半と契約当日には私の上司が立ち会い、上司はご主人と奥さんにこう質問しました。

上司「今回はありがとうございました。ところで、営業の森はいかがですか。頑張ってやっていますかね」

上司の質問は、だいたいこのようなニュアンスでした。ご主人と奥さんは二人とも、私が一生懸命熱意を持ってやっているという主旨で、私をベタ褒めしてくれました。

新卒で入社してすぐの5月ですから、私には経験もなく、住宅の知識もあるわけがありません。

しかもご主人は左官屋さんで、本人は「住宅の細かい知識はない」と話していたものの、一般の方と比べれば圧倒的な知見を持っていました。

そのご主人が私を選んだ理由のトップにあげたのが、汗をかいて熱意を持ってやってくれたことでした。

新卒の営業が入社3ヶ月で初受注を取った事例は、新人営業の初受注の事例で解説しています。

質問に10倍で返す住宅営業に契約客が「感動しました」

住宅営業がお客さんの質問に答える打ち合わせの様子

2022年11月下旬の契約客取材で聞いた評価

2つ目は、ある住宅会社と契約したお客さんを、私が2022年11月下旬に取材したときの話です。

私は小一時間ほどZoomで取材し、質問項目の中で担当営業への感想と評価を聞きました。

お客さんから返ってきたのは「営業担当者に感動しました!」という言葉でした。

担当営業がよくやってくれた、信頼を持てた、という評価はよく耳にしますが、ストレートに「感動しました!」という言葉は私も滅多に聞いたことがありません。

私が次に関心を持ったのは、このお客さんが担当営業のどんな点に感動したのかで、その質問には奥様がこう答えてくれました。

奥様「レスポンスが非常に早かったこともあったのですが、1つ何らかの質問をすると、異常なスピードで返事が返ってくるどころか、10倍になって情報が戻ってくるのですよ」

他社の営業を出し抜く方法として、この営業の対応は具体的な手本になります。

補助金の質問なら市だけでなく県や国の制度まで調べて返す

例えば、お客さんがリフォームで使える市の補助金について質問したとします。営業は最低でも翌日までに返信し、市の補助金だけでなく県の補助金やその他の制度も調べてお客さんに伝えます。

翌日までに返信すれば、お客さんはレスポンスが早い営業だと評価します。お客さんが聞いたのは市の補助金だけですが、営業が県の補助金まで調べて返せば1つの質問に2つの答えを返したことになり、国やその他の機関の補助金まで調べれば答えは3倍、4倍に増えます。

翌日に返事をした営業が有名ハウスメーカーに競合勝ちした事例は、住宅営業の連絡の速さで解説しています。

市の補助金についての答えはお客さんも想定しているので、満足度はごく一般的なところで止まります。

一方で、県の補助金についての返事は、お客さんが予期していなかった情報です。

予期していなかった情報が、お客さんの感動につながります。

口下手な住宅営業がお礼状やショートメールでお客さんとのやり取りを続ける方法は、住宅営業のお礼状とショートメールの活用法で解説しています。

SNS発信の時代も変わらない住宅営業の熱意とレスポンス

30年の差がある2つの事例の共通点

私の初契約と2022年11月下旬の取材の2つの事例には30年ほどの開きがありますが、汗を流す営業へのお客さんの評価の高さは全く変わっていません。

SNS発信に振り回されて古典的な行動を忘れていないか

私が気にかけているのは、住宅会社のSNS偏重です。例えば、次のような号令です。

「インスタグラムで発信しろ」「Youtubeをどんどん上げろ」「Facebookでつながりを増やせ」

誤解のないよう申し添えますが、私はこれらを否定しているのではありません。否定どころか、コンサル先ではSNSに積極的に取り組むよう、私がうるさく言っているほどです。

私が気にかかるのは、住宅会社がこうした傾向に振り回されて、担当営業の熱意やレスポンスの速さといった、古典的だが圧倒的な支持を得られる行動を忘れていないかという点です。

まとめ

新人の住宅営業は経験も知識もなくても、熱意を行動で示せば、お客さんは数千万円の住宅を任せてくれます。分譲地で汗をかいて声をかけた私の初契約でも、質問に10倍の情報で返した2022年の営業でも、お客さんが評価したのは熱意とレスポンスの速さでした。

ぜひ本記事の2つの事例を参考に、自社の営業社員が熱意とレスポンスの速さを行動で示せているかを確認してください。

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