和室の営業トークで値引きなし受注|初回接客で和室を聞く女性営業

和室の営業トークで値引きなし受注|初回接客で和室を聞く女性営業

住宅展示場では、営業担当が和室の希望をほとんど聞きません。和室を作るとしても、畳コーナーを勧めて話を終えてしまいます。

実家が畳屋で入社3年目の女性営業Aさんは、これと逆の接客をしています。

Aさんは初回接客のたびにお客さんへ和室の希望を聞き、和室の話をきっかけに三社競合の案件を値引きなしで受注しました。

Aさんのタブレットには、会社が施工した和室の事例が約500件入っています。

本記事では、ハウスメーカー営業のAさんの接客と和室の資料、社長・幹部が営業社員に指導すべきことを解説します。

和室を聞かないハウスメーカー営業が住宅展示場で逃している受注

和室を希望するお客さんは、めっきり減りました。

本格的とまではいかなくても作り込んだ和室を作るお客さんは、さらに減ったと言っていいでしょう。

住宅展示場で接客をしていて、和室にこだわるお客さんに出会うことは、ほぼ皆無というのが現状です。

こうした実情があるので、営業担当も頭から「和室に関する強い要望はないだろう」「和室のことは特に話さなくてもいいや」「和室を作るとしても畳コーナーぐらいを勧めよう」と考えてしまいます。私は、ここに住宅会社の盲点があると見ています。

和室を重視するお客さんの数が少ないのは確かです。

それでも私は、この決めつけが貴重な受注の機会を奪っていると思っています。

100件に1件であっても和室を重要視するお客さんが来場するのであれば、その可能性を排除した営業は、受注の幅が小さくなります。

他社の営業担当も、和室を軽く見た営業をしています。和室に深い思いを抱いているお客さんに和室の話ができれば、商談自体が極めて有利に進みます。

和室か畳コーナーかを聞き分け、暮らしの場面で和室のメリットを伝える方法は、住宅展示場での和室の伝え方で解説しています。

実家が畳屋のハウスメーカー営業Aさんが値引きなしで受注した接客

和室の知識を持ったうえで、この100件に1件のお客さんを想定した接客をしている女性営業社員がいます。私は3ヶ月前に、本人から話を聞きました。

実家が畳屋で日本の歴史を学んだ入社3年目の女性営業

この女性営業社員のことをAさんとしましょう。

Aさんは入社3年目の若手社員で、実家が畳屋さんという珍しい経歴の持ち主です。

大学は文学部の出身で、日本の歴史を専攻していました。

Aさんは大学で学ぶうちに畳や和室に深い興味を持ち、徹底的に研究したそうです。その後、Aさんは全く別の職種の企業に就職しましたが、友人から誘われたこともあって住宅営業の世界にやってきました。

「日本の家には和室が必要」という考えで初回接客から和室を聞く

Aさんの基本的な考えは「日本の家には和室が必要」というものです。この考えは今のマーケティングからは外れていますが、日本の住宅に和室がないのはおかしいというAさんのポリシーが、結果的に功を奏しています。

住宅展示場でお客さんを接客するとき、一般的な住宅営業は和室のことをあまり深く聞きません。

Aさんはお客さんが和室を希望しているという前提で、接客の初期段階で和室の話に切り込んでいきます。

お客さんが「和室は要りません」と言えば、Aさんは「分かりました」と答えて話を終えます。

接客の初期に和室の希望をストレートに聞く方法は、展示場接客での和室のヒアリングで解説しています。

ある程度の和室を希望するお客さんや、本格的な書院造りを要望するお客さんの場合、Aさんとは接客の初期から波長が合います。初回接客全体の進め方は、分譲地での住宅営業の初回接客のコツで解説しています。

書院造りと広縁を望むお客さんとの会話

Aさんが直近で受注に成功した事例です。Aさんがいつものように接客の初期段階で和室の希望を聞いたところ、次のような会話になったそうです。

Aさん「住宅に対する色々なご希望があるかと思いますが、和室についてはどのようにお考えですか」

客「和室は絶対必要ですから欲しいのですが」

Aさん「よかった!私もその考えには同感ですし、弊社は和室に関してかなりの情報と技術を持っておりますからご期待に添えると思います」

客「そうですか……実はしっかりした和室を作りたいと思ってまして、書院造りのようなものも欲しいですし、昔ながらの広縁(ひろえん)もつけたいんですよね」

Aさん「分かりました……えっと……こちらのタブレットをご覧いただきたいのですが、こちらの和室は私が担当させていただいたお客さんのものでして、和室に関しては凝りに凝りまくったんですよ」

ここからAさんとお客さんは、延々と和室の話で盛り上がったそうです。この案件は結果的に三社競合になりましたが、和室が決め手となり、Aさんの会社は値引きをせずに受注しました。

Aさんのタブレットに入っている和室の資料3つ

Aさんは会話の中でお客さんに資料を見せましたが、Aさんのタブレットには和室に関する膨大な資料が入っています。

会社が施工した和室の事例約500件

Aさんのタブレットには、Aさんが担当したお客さんの和室だけでなく、会社が施工した和室の事例が500件ほど入っています。Aさんが勤務している住宅会社は大きな会社なので、Aさんは他の事例も簡単に、豊富に手に入れられます。

お客さんが和室の要望を出すと、Aさんは「それならこんな感じでしょうか」と瞬時に事例を引き出せます。Aさんは、そのための資料の整理も徹底的に行っています。

和室を手がける大工さんの工事中の写真と映像

この資料が、Aさんの特徴かもしれません。

一般的には、和室の施工事例の写真を見せることがほとんどだと思います。

Aさんは、その和室を実際に手がけている大工さんの工事中の写真や映像も持っています。

Aさんは和室の知識が豊富なので、大工さんが行っている工事の写真を具体的に説明できます。こうなると、和室に非常に詳しいお客さんであっても満足できる内容になります。

大工さんへの取材映像を自分のサイトで公開

この資料には、私も驚きました。

私は仕事で大工さんを取材し、その映像を営業研修で使うことがあります。

しかしAさんは、あくまで住宅会社の一営業社員です。

Aさんは営業の立場で大工さんにわざわざ取材を行い、その映像を営業資料として使っています。しかもAさんはその動画を自分のサイトに上げ、お客さんが自宅に帰ってからも取材映像を見られるように準備までしていました。

和室を話せる営業社員を育てるために社長・幹部が指導すべきこと

ここからは、住宅会社の社長・幹部の方に私から提言させていただきます。

和室を希望している前提で初回接客を始めさせる

社長・幹部の方は、営業社員がお客さんと話すたびに和室の話をするよう指導してください。Aさんの事例のとおり、お客さんが和室を要望しているという前提で接客を始めさせてほしいのです。

お客さんが首を横に振れば、和室の話はそこで終わります。

営業社員にとっては、和室の希望を聞いても何のダメージもありません。

お客さんが話に乗ってくれば、営業社員はそのままグイグイと進めればいいだけの話です。

鴨居や長押の名称をペーパーテストで確かめる

私が営業研修で憂慮していることがあります。営業社員がお客さんと和室の話をする機会が激減したことで、営業社員自身の和室に関する知識が大きく減っているのです。

和室の名称も、知識が減っているものの一つです。

鴨居(かもい)や長押(なげし)といった基本中の基本さえ分からない社員が結構いて、私は驚いています。

社長・幹部の方は、自社の営業社員に和室の名称を問う簡単なペーパーテストを行ってください。

結果を見て愕然とするかもしれません。

展示場ロープレや確認テストで営業社員の知識の穴を見つける方法は、新入社員の営業研修で解説しています。

まとめ

和室を希望するお客さんは減りましたが、100件に1件でも和室を重視するお客さんは来場します。実家が畳屋のAさんは、初回接客で毎回和室の希望を聞き、約500件の施工事例や大工さんの取材映像を使って、三社競合の案件を値引きなしで受注しました。

私には、今の住宅営業社員の頭から和室が抜け落ちているとしか思えません。社長・幹部の方は、営業社員が和室の名称を言えるかを確かめ、営業スタイルを組み立て直してみてください。

ぜひ本記事のAさんの接客と和室の資料を参考に、自社の営業社員が初回接客で和室の希望を聞けているかを確かめてください。

あなたへのおすすめ