紹介営業のコツ|紹介が多い住宅営業がやっている3つの対応

住宅展示場を構えるのは論外で、ネット集客を工夫しても成果が出ず、地道な訪問活動も時代に合わなくなりました。そうした中で、工務店や住宅会社の経営者が目指すのは、紹介受注による経営の安定です。
紹介が多い住宅営業の社員は、契約後の質問に契約前より早く答え、契約後の雑談で出た家具の悩みにも翌日メールで情報を返しています。紹介営業のコツは、こうした営業社員の対応を愚直に真似することです。
本記事では、紹介が多い住宅営業に共通する3つの対応と、紹介が多い営業チームを目指す考え方を解説します。
紹介営業のコツは紹介が多い住宅営業の真似から始まる
住宅営業での紹介受注は、私も現役時代に目指していましたし、コンサルタントとしての今の仕事でも最重要課題に位置づけています。紹介受注を増やしたい住宅会社に私がまず勧めるのは、紹介が多い営業社員の真似をすることと、紹介が多い住宅会社の仕組みを研究することの2つです。
本記事で取り上げるのは前者です。
紹介が多い営業社員が何をしているかを調べて真似をするのが、紹介受注に近づく最短距離だと私は考えています。
お客さんへの紹介の頼み方は、紹介営業のコツで解説しています。
紹介が多い営業社員の対応は、次の3つに分かれます。
| 対応 | 紹介が多い営業社員の行動 |
|---|---|
| 契約後の面倒見がいい | 質問への回答を契約前より早く返し、契約後も家具の情報などを届ける |
| 御用聞き営業にならない | 要望を形にするための情報やテクニックを提供する |
| マメである | 電話・手紙・直接訪問にSNSを加えて接点を増やす |
紹介営業で差がつく住宅営業の契約後の対応
契約までは調子のいい営業トークを乱発するのに、契約後は動きが遅くなり、テンションが落ちたのが丸分かりになる営業社員がいます。
お客さんは、そんな営業社員に自分の知人や友人を紹介しようとは思いません。
紹介が多い営業社員は、契約後の面倒見がいいことが特徴です。
契約後のフォローを怠って施主に騙されたと感じさせた住宅会社の例は、契約後のフォローで紹介が消える事例で解説しています。
質問への回答を契約前より早く返す
紹介が多い営業社員は全員、契約後の回答スピードを契約前以上に上げていると言います。私も現役当時に強く意識していましたが、営業社員が契約後の動きを契約前より早くすると、お客さんの安心感と信頼感が高まります。
お客さんは、契約前は強い立場にありますが、契約した後はある意味で建築業者に全てを委ねる形になり、契約前より弱い立場に立たされます。この状況では誰でも不安になるので、営業社員が契約前よりレスポンスを早くすると、それ自体が大きな信頼につながります。
契約後に家具の情報を翌日届けた営業社員
図面がほぼ固まった段階で建築請負契約を結ぶので、プランに関する新しい提案は基本的にそれ以上ありません。
それでも紹介が多い営業社員は、お客さんの満足度を上げるために、契約後も新しい提案や情報を届けています。
私が話を聞いた営業社員と、契約後のお客さんとの間で実際にあったやり取りです。
奥様「引っ越しまでにはリビングに置く新しい家具をいろいろ揃えたいんだけども、選び方が難しいわよね」
営業「基本的にはどんな系統の家具で揃えたいんですか」
奥様「私はとにかくかわいい家具が欲しいのよね。あんまりごっついやつというか、クラシカルのやつはダメなの。ネットで探すと気に入った家具があるんだけども、それをリアルで見るところが見つからないのよ」
この会話の翌日、営業社員は奥さんにメールで連絡しました。内容は私が要約していますが、営業社員が送ったメールをほぼ再現しています。
昨日のお話ですが、いい情報がありましたのでお届けします。〇〇家具をご存知でしょうか。▲▲町にあるので場所は結構遠くなってしまいますが、奥さんの趣味にあった家具を得意とした家具屋さんで、実際の家具を数多く見ることができますよ……
私はこのお客さんと面識がありませんが、営業社員に聞くと、奥さんの反応は次のようなものだったそうです。
「奥さんがめちゃくちゃ喜んでくれたというか、すぐに情報くれて本当にありがとう、とすごく感謝されましたよ」
奥さんは、契約後の自分が担当営業にとって営業的なメリットのない存在だと分かっています。
それなのに営業社員が自分の希望に翌日回答してくれたので、奥さんの営業社員への信頼感は大きく増しました。
営業社員がこうした対応を積み重ねると、お客さんは家を建てたい知人や友人が頭に浮かんだときや、そうした情報を得たときに「そうだ、〇〇さんを紹介しようかな」と思うようになります。
御用聞きの住宅営業には紹介が集まらない
住宅営業の社員の中には、お客さんの要望を聞かなくてはいけないという強迫観念に支配され、自分の意見を持たない人がいます。お客さんの要望を実現するのは大前提ですが、紹介受注につながるのは、その要望を形にするための情報やテクニックを営業社員がどれだけ提供するかです。
子育て住宅に気持ちが傾いているお客さんであれば、お客さんが頭に入れているプランの取り方や動線の工夫以外に、「なるほどね!」と思う提案を営業社員がどれだけ出せるかで決まります。
大開口を否定した大手ハウスメーカーA社の営業
ある有名木造大手ハウスメーカーA社での失敗対応を紹介します。
事前情報でA社に好感触を抱いていたお客さんがいて、いろいろな要望の中でも譲れないのが、窓を極力大きくとった大開口でした。
お客さんはこの希望をA社の営業社員に強く伝えましたが、大開口にすると予算をかなりオーバーすると分かりました。
A社の男性営業は予算内に収めてお客さんを抑え込もうとしたのでしょうが、わけの分からないことを言い始めたそうです。
「大開口にしても碌なことはないですよ。外から丸見えになるし壁も減ります。私の会社でも後悔するお客さんが9割以上ですからね」
A社の営業社員の気持ちは分かりますが、これではお客さんの気持ちを上から完全に潰しにいっています。
大開口にしたお客さんの9割が後悔するということもありえません。
後悔している人が若干いる程度なら理解できますが、こんなふざけたことを本気で言う営業社員が大手人気ハウスメーカーにもいるのです。
マメな住宅営業はSNSで接点を増やしている
マメさは定番ですが、住宅営業の基本的な重要項目の一つです。
お客さんから見ると、マメに動く営業社員は信頼に足る人物と映りますし、親近感も湧きます。
マメさは人付き合いの鉄則とも言えるもので、営業社員がマメに動いて接点を持っていれば、お客さんが紹介を出そうという気持ちになったときに、その気持ちを逃さずに受け止められます。
契約したお客さんへのマメな連絡で紹介を集めている営業社員の話は、紹介が集まる北陸の若手女性営業の取材で解説しています。
SNSの時代になって、営業社員はマメさを以前より発揮しやすくなりました。
20年前であれば、マメさを形にする手段は電話、手紙、直接訪問の3つしかありませんでした。
今も電話、手紙、直接訪問は武器として使えますが、営業社員がYouTube、X、Facebook、Instagramを活用すれば、営業社員から接触しなくても、お客さんの方から接触しに来てくれる状況を作れます。
従来の方法にSNSでの接触を加えて、マメにお客さんと関わる営業社員が、紹介受注をたくさん取る傾向にあります。
SNSは紹介受注の大きな要因になると私は考えています。
手紙やショートメールでお客さんと接点を保つ方法は、口下手な住宅営業でも続けられるお礼状で解説しています。
工務店は紹介が多い営業チームを目指す
住宅会社全体で見ると、突出した一人のスーパー営業を育てるより、平均的に紹介が多い組織を作り上げる方が大きな意味があると私は考えています。
経営者が目指したいのは、新卒の若手社員でも3〜4年すれば、他社の営業社員より紹介受注を多くもらえる仕組みです。
時間はかかりますが、住宅会社が一度この風土を築けば、会社は長期間にわたって安泰です。
社長が紹介の多い組織を作る進め方は、住宅会社2社の紹介営業の仕組み化で解説しています。
まとめ
紹介が多い住宅営業の社員は、契約後の面倒見がよく、御用聞きにならずに要望を形にする情報を出し、SNSも使ってマメにお客さんと接点を持っています。
住宅会社としては、一人のスーパー営業に頼るより、若手社員でも紹介が取れる組織を目指す方が大きな意味があります。
ぜひ本記事の3つの対応を参考に、紹介が多い営業社員の契約後の動きを、自社の営業チームで真似してください。



