紹介が集まる住宅営業は何が違う?北陸の若手女性営業を取材

北陸の某県で私が会った20代後半の女性営業Mさんは、営業を始めて1年半ほどで、紹介情報が毎月7〜8件上がるようになりました。
営業5年目のいまでは、紹介だけで手一杯になっています。
Mさんに紹介が集まった理由は、契約したお客さんへの連絡や報告のマメさと、異常なほど速いレスポンスでした。
本記事では、Mさんへの取材をもとに、紹介が集まる住宅営業の共通点と、社長が営業社員の紹介への意識を高める方法を解説します。
紹介が集まる住宅営業Mさんはインテリアコーディネーター志望だった
私が実際に会ってみると、Mさんは想像以上に小柄で華奢な女性でした。Mさんは大学の建築学科を卒業していて、もともとはインテリアコーディネーターになりたかったそうです。
よくあるパターンですが、Mさんはコーディネーター希望で住宅会社に入りました。ところが社長の目に留まり、営業への転身を迫られたのです。
昼食の時間に社長がかけた「営業やったら成功するんじゃないの?」
昼食の時間に、社長がいきなり事務所にやって来て、Mさんにこう語りかけたそうです。
社 長「Mさん。営業やったら成功するんじゃないの?」
Mさん「えー、勘弁してください!社長、営業なんか絶対やりませんよ(笑)」
Mさんはインテリアコーディネーターを目指して大学に行き、その夢を実現するために入社しています。
Mさんには営業=セールスマンというイメージがありました。
営業社員の大変さを間近で見ていたこともあって、営業への拒否感は強かったそうです。
1年続いた説得と1.5倍の歩合給
ところが社長は、本気でMさんを口説こうとしていたようです。
暇を見つけては、営業への転換をチクチクと打診してきたといいます。
社長はMさんに営業の能力があると見抜いていたのだろうと私は思います。
説得は1年ほど続き、そのうちにMさんも営業への拒否感が少しずつ減っていったそうです。
社長が女性の営業社員を手放したくないと評価する理由は、リフォーム営業の女性社員への取材で解説しています。
Mさんの気持ちを一番動かしたのは、他社と比べても高額な歩合給でした。金額はここに書きませんが、一般的な住宅会社と比べて1.5倍ぐらいと思っていただければ結構です。
「建築系を出ていると受注がバンバン取れるんだ!」という社長の説明
社長も勢いで言ったのだと思いますが、社長のこの説明は理路整然としていて、Mさんの気持ちを動かしたそうです。
私は経営学部の出身で、積水ハウスに入ったときには建築系の知識がみじんもありませんでした。
知識がなくてもそれなりに売れましたが、私は腹の中で「建築の知識やインテリアの素養が身に付いていれば、もっと売れただろうな」とつくづく思っていました。
私が感じていたこの弱みを、Mさんは入社した時点でクリアしていたのです。
社長はこの点をこんこんと諭し、最終的には渋々ながらもMさんのOKを取りました。ただしMさんは、1年やってみて芽が出なければ設計に戻れるという言質を社長から取ったうえで、営業に転身しています。
住宅営業1年半で紹介が毎月7〜8件に増えた理由
Mさんは、1年をめどに住宅営業を始めました。
最初は受注成績が振るいませんでしたが、1年が経つ直前あたりからポツポツと契約が出始めます。
それなりに歩合が出るので、Mさんはもう少し頑張ってみようと考えたそうです。
受注4棟で社長が「もくろみ違いだったかな」と思った頃
営業を始めて1年半ほど経っても、Mさんの受注は4棟でした。
社長も腹の中では「もくろみ違いだったかな……」と少し思っていたそうです。
ところがそのあたりから、Mさんのもとに紹介情報がどんどん集まるようになりました。
Mさんと私が交わした会話は、次のような感じでした。
私 「一年半ほど経ったあたりでは紹介情報が毎月7~8件は上がるようになったんですよね」
Mさん「そうですねぇ・・・理由はよくわからないんですけども、なぜかそのような紹介情報をお客さんや不動産会社の方からもらえるようになったんです」
この後もいろいろ話を聞くうちに、私は、紹介が増えた原因はMさんのマメさにあると推測しました。
昼の12時に訪問して夜10時に帰社したマメさ
Mさんは、契約したお客さんへの連絡や報告を、社長や営業部長が驚くぐらいマメにしていたそうです。
時間があればお客さんの家にすぐ出向きました。
あるときなどは、昼の12時にお客さんの家に行き、事務所に帰ってきたのが夜10時を回っていたといいます。
その日はお客さんと話がえらく盛り上がり、Mさんは夕食までごちそうになったそうです。
お客さんがMさんに親近感を持つのは自然なことです。
しかもMさんは細かいことにもすぐ対応し、レスポンスが異常なほど速いのです。
お客さんが友達を紹介したくなる気持ちも、私には理解できます。
契約後の返信の速さや契約後も続ける提案といった対応は、紹介が多い住宅営業の紹介営業のコツで解説しています。
契約後のお客さんに送る礼状やショートメールの書き方と送り方は、住宅営業のお礼状の書き方で解説しています。
紹介をくれるお客さんはMさんを「強い営業」と見ていた
Mさんの会社の社長は、Mさんの性格と見た目にも紹介が多い理由があると分析していました。
Mさんはあっさりとした性格で、見た目もボーイッシュです。
化粧映えしそうな顔立ちですが、Mさんは化粧そのものが嫌いなので、ほぼノーメイクで仕事をしています。
お客さんの前でにやけたり、女っぽい仕草をしたりすることも、Mさん本人はどうにも気に食わないそうです。
社長は、こうした振る舞いがお客さんの目に「強い営業」と映っているのではないかと見ていました。
私もこの分析に納得しています。
Mさん本人も「そんなことをお客さんに言われたことがあります」と話していました。
こうしてMさんには、紹介情報がどんどん出てくるようになりました。
営業5年目のいまでは、Mさんが展示場などで接客することはほぼありません。
スーモやライフルなどから入る反響客も、Mさんは全部後輩に回しているそうです。
Mさんは、お客さんや不動産会社などの法人からの紹介だけで手一杯という、うらやましい営業生活を送っています。
営業以外の職種で施主から紹介が集まる人の習慣は、紹介が集まる大工の3つの習慣で解説しています。
社長が営業社員の紹介への意識を確かめる方法
住宅会社の社長や営業幹部の方に、お願いしたいことがあります。
住宅会社の利益を上げて営業体質を強くする手法はいろいろあります。
その中でも、営業社員が意識して紹介受注を取りにいくよう働きかけることは、重要な指導内容です。
積水ハウスに紹介が多かったのは会社の風土
私がコンサルタントの仕事を始めた頃、「積水ハウスはどうして紹介が多いのか?」とあちこちの住宅会社で聞かれました。
私自身もいろいろ工夫していたので、ほかの営業より紹介が多かったのは事実です。
しかし何より、当時の積水ハウスには、お客さんから紹介をもらって受注することが最強の営業手法だという空気が満ちていました。
質問されると、私はいつもそう答えていました。
会社の風土は一朝一夕にはできないので、作り上げるのは大変です。
その代わり、一度できてしまえば会社にとって大きな財産になります。
他社がまねしようと思っても、簡単には追いつけません。
紹介を評価する社内の空気と仕組みの作り方は、紹介受注を増やす仕組みで解説しています。
朝礼で確かめると社長の想定とずれているケースが8割
明日の朝礼でもよいので、営業社員が紹介に対してどのような意欲と認識を持っているかを確認してみてください。驚く社長が多いと思います。
経営陣は、営業社員なら当然紹介を意識していて、チャンスがあれば営業社員の側からお願いしていると思っています。
ところが実際に営業社員に聞いてみると、まったく違うという現象が多発します。
私はこうしたケースをたくさん見てきましたし、このようなケースが8割を占めると言っても過言ではありません。
そのため、社長が意図して紹介への意識を営業社員に植え付けるだけで、会社の体質はすこぶる強くなると私は考えています。
営業社員の意識を変えられれば、経費0円で会社に莫大な利益をもたらします。
紹介をお願いするときの具体的な言い方は紹介営業のコツで解説しています。
だまされたと思って、こうした指導をしてみてください。
まとめ
私は仕事柄、紹介が多い営業社員にたくさん会っていて、会うたびにカメラを回して取材し、動画を撮りためています。
成績を上げたいなら、こうした成功者の考えややっていることを素直にまねるのが一番手っ取り早い手法です。
ただ、分かっていてもなかなかできない代表的なことでもあります。
Mさんが紹介受注で成功した原因は、契約したお客さんへのマメな連絡と速いレスポンスという、至極簡単なことでした。社長が営業社員の紹介への認識を確かめ、紹介を意識する風土を作れば、住宅会社は経費をかけずに体質を強くできます。
ぜひ本記事のMさんの取材話を参考に、自社の営業社員が契約後のお客さんとどれだけ連絡を取っているかを確かめてください。



