住宅営業の新人研修で1年目にやるべき5つ|ロープレと接客見学

住宅営業の新人研修で1年目にやるべき5つ|ロープレと接客見学

住宅営業の1年目は、家の部位の名称から住宅ローン、建築基準法まで覚えることが山ほどあり、契約を取った後のフォローも煩雑です。契約を取るのがいくらうまくても、契約後のフォローができずに退社に追い込まれる営業社員の話を、私はよく耳にします。

住宅業界1年目の新人営業がやるべき研修は、専門用語の習得、先輩の接客見学、ロールプレイング、他社の住宅展示場で接客を受けること、水回り商品のカタログの読み込みの5つです。最初の1年をぼちぼちでもこなせば、新人営業は2年目以降に大きく成長でき、この業界の特徴である大きな歩合も得られるようになります。

本記事では、新卒・中途を問わず住宅業界1年目の営業社員と、新人を育てる工務店の方に向けて、新人研修で取り組む内容と進め方を解説します。

住宅営業の新人研修は専門用語を覚えることから

どの業界でも同じですが、新人営業はまず住宅業界独特の言葉を覚える必要があります。住宅業界の専門用語は、家の名称、建築基準法などの法律、資金関連、家ができるまでの流れの4分野に分かれます。

家の部位の名称と建築基準法

家の名称は膨大なので簡単には習得できませんが、新人営業は、まず家に関する名称を徹底的に覚えてください。

玄関を開ければ上がり框(かまち)があり、廊下の隅には巾木(はばき)がぐるっと巡らされています。

和室に入れば畳が敷いてあり、鴨居(かもい)や落としがけがしっかりと作り込まれている建物もあります。

細かい部位の名称は先輩に聞かなくても覚えられるので、新人営業が自分でどんどん覚えていきましょう。

建築基準法などの法律は、新人営業がなるべく早く覚えないと問題です。

北側斜線、道路後退、容積率、建ぺい率、第1種住居専用地域といった言葉に加え、農地転用や市街化調整区域の意味も重要です。

法律の用語も、ネットで調べればすぐに覚えられます。

住宅ローンの返済額と諸経費

住宅を買うお客さんは、数千万円にも及ぶ住宅ローンを組みます。お金の話はお客さんにとってナーバスな話題なので、工務店の営業社員が資金について詳しくならないと、思いもよらないトラブルに巻き込まれます。

新人営業が最初に覚えるのは、住宅ローンの金利と返済額の関係です。100万円を30年間借りたら毎月いくら払うのか、途中で繰り上げ返済したらいくら返せばよいのか、頭金はいくらぐらい積むのが妥当なのか、といったお金の知識を身につけます。

住宅業界には諸経費というものもあります。家を建てるときには土地家屋調査士や司法書士に支払うお金が発生し、地鎮祭で神主さんにいくら包むか、4tトラックで引っ越すと一般的にいくらかかるかといった細かい金額まで、営業社員は覚える必要があります。

住宅ローンや諸経費についてお客さんから質問されたときの答え方は、新人営業がお金の質問に答えるロープレ事例で解説しています。

契約から引っ越しまでの工程と上棟式

家ができるまでの流れは、新人営業にとって意外に厄介です。

契約を結んだ後、どのような工程で家ができ、お客さんの引っ越しまでつながるのかを、営業社員は説明できなければなりません。

工程の途中にはいろいろな検査があり、検査ごとの呼び方もあります。

たとえば上棟は、骨組みが出来上がって屋根が乗った状態を指し、地域によっては上棟式を執り行ってみんなでお祝いをします。上棟式にもそれなりの経費がかかり、金額は大きくありませんが、営業社員が相場を把握しておけば、お客さんに的確なアドバイスができて喜ばれます。

先輩の接客を見学する新人研修

住宅営業を学校の授業のように勉強するのは、極めて難しいことです。

その難しいことを教えるのが私の仕事ですが、新人営業にとっては、まず先輩がお客さんを接客しているところを見るのが手っ取り早い方法です。

私の研修プログラムでも、接客の見学を積極的に取り入れています。

接客見学のほかに新卒研修で行うマナー研修の効果と注意点や、合宿研修の本当の狙いは、住宅営業の新卒研修の体験談で解説しています。

新人営業にとって特に難しいのが雑談です。

営業社員は初対面でいきなり家の話をするのではなく、何気ない雑談から入りますが、雑談にもいろいろなテクニックがあります。

雑談をうまく使えば、何気ない話から家の話につなげたり、お客さんの情報を探ったりできます。

雑談の流れをテキストにしたら大変な分量になるので、新人営業には実際に見てもらいながら体で覚えてもらうしかありません。初回接客で何をどの順で話すかは、分譲地での住宅営業の初回接客のコツで解説しています。

ロールプレイング研修で客役の突っ込みに答える

営業研修で営業役と客役に分かれてロールプレイングをする社員

先輩の接客を見て体で覚える部分の何割かは、ロールプレイングで補えます。

ロールプレイングは役割分担で演じるという意味で、新人営業が営業役を、先輩か社長がお客さん役を演じて模擬接客を行います。

客役の先輩からはいろいろな質問が出ますが、新人営業は実際の接客だと思って真剣に相手をしてください。

アフターサービスの説明に客役が口を挟む例

新人営業は、会社のアフターサービスを机上の勉強で頭に入れていても、お客さんを前にして話すと全く空気が違うことに気づきます。たとえば、次のような会話になったらどうでしょうか。

あなた「弊社のアフターサービスですが、1ヶ月点検と6ヶ月点検がありまして、その後3年目にもお伺いします。一旦ここで終わるのですが・・・」

客役 「ちょっと待って。先日行った〇〇ホームでは1ヶ月3ヶ月6ヶ月そして次は1年目点検もあるって言ってたけども、おたくはそんなことはやらないんだ」

あなた「えっと・・・そうですね・・・」

新人営業が立て板に水のように説明するだけなら簡単かもしれません。

しかし会話の例のように、お客さんが説明の途中で口を挟んだり、全く予期しないことを言ったりしたら、どう対応するのでしょうか。

こうした訓練を徹底的に繰り返すことで、新人営業は実際の接客での対応力を身につけます。

カタログの内容を毎月のテストとロープレで新人に口に出させる教え方は、新卒住宅営業の教育の進め方で解説しています。

新人研修として他社の住宅展示場で接客を受ける

私も新人の頃にやりましたし、今もコンサル先の若手にやらせることがあります。完全にお忍びになりますが、新人営業が他社の住宅展示場に行き、お客さんとして接客を受けるのです。

「それはちょっと・・・」

読者の方からはこう言われるかもしれませんが、それは私も分かって話をしています(笑)。私はこのくらいのことはお互いさま程度で問題ないと考えているので、新人営業には可能な限り実際の接客を受けることを強くおすすめします。

営業の立場ではなく客の立場で接客を受けると、相手の営業社員にもよりますが、新人営業は「なかなかいいことを言うな」「今のトークはいいな」と感じる場面にたくさん出会えます。

住宅展示場をお客さん目線で見学させ、部屋ごとの質問と答えを書き出させる研修は、新卒住宅営業の接客研修で解説しています。

水回り商品のカタログを読み込んで雑談の材料にする

トイレを例に取ります。便器をつくっている住宅設備メーカーとしてはTOTOやINAXがすぐに頭に浮かびますが、ほかにもパナソニックなどの電気メーカーが便器を出しています。

各メーカーの商品は数が膨大で、性能もそれぞれ違い、商品名もついていてややこしいことこの上ありません。それでも新人営業には、各メーカーの特徴や商品ごとのメリット・デメリットを、カタログを徹底的に見て頭に叩き込んでほしいのです。

頭に叩き込むといっても、営業社員は便器メーカーの社員ではないので、細かい商品名や品番まで覚える必要はありません。TOTOの商品なら〇〇特徴がある、もう少し細かく言えばTOTOは一つ一つ手作りなので便器の形が違う、といったうんちく話も含めて覚えます。

営業社員がお客さんとの雑談でトイレの話だけで10分〜15分できれば、お客さんはきっとこう思うでしょう。

「この営業さんはものすごく詳しいな」

トイレの話ができるだけで、新人営業はお客さんの信頼を得て、他社の営業マンより頭一つリードできます。これは私がお約束します。

もっとも、トイレだけでは話になりません。

キッチン、屋根瓦、外壁、外構、風呂、玄関ドアなど、住宅の部位の一つ一つに膨大な商品があります。

最初は大変ですが、新人営業がこれらを一気に頭に叩き込めば、商談の雑談にそのまま使えます。

まとめ

住宅業界1年目の新人営業は、専門用語を覚え、先輩の接客を見学し、ロールプレイングで客役の突っ込みに答え、他社の住宅展示場で接客を受け、水回り商品のカタログを読み込むことから始めます。私が紹介した内容は、1年目に覚えることのほんの一部にすぎませんが、最初の1年をぼちぼちでもこなせば、2年目以降の成長につながります。

ぜひ本記事の5つの研修を参考に、1年目のうちに住宅の専門用語と商品知識を頭に叩き込んでください。

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