住宅営業で女性は売れない?女性部長が語る3つの問題点と強み

住宅営業で女性は売れない?女性部長が語る3つの問題点と強み

住宅業界では、女性の住宅営業をどう位置づけるかが昔から議論の的で、3歩進んでは2歩下がる状況が続いてきました。住宅営業には長時間労働の印象が強くあります。

女性だから売れないわけではありません。

男女で採用基準に差を付けない大手ハウスメーカーでは、入社試験の結果も入社後の成績も女性の方が上回っています。

女性営業部長のKさんが女性営業の問題点として挙げたのは、出産と育児、ハードワーク、奥様からの嫉妬の3つです。

本記事では、女性営業部長と大手ハウスメーカー役員から私が直接聞いた話と現場の体験談をもとに、女性の住宅営業が売れないと言われる理由と、女性営業が有利になる場面を解説します。

住宅営業で女性は売れないのか(大手ハウスメーカー役員の話)

ある大手ハウスメーカーの役員氏から、私が直接聞いた話です。

このハウスメーカーは積水ハウスやダイワハウスなどのグループには属しておらず、急成長している会社です。

会社の規模が大きいので、毎年のように新卒を採用しています。

男女で採用基準に差を付けない新卒採用

どの住宅会社の人事にも採用戦略があり、このハウスメーカーもさまざまな採用戦略を持っています。

その大きな柱の一つが、男女間の採用基準に差を付けないことです。

どの住宅会社も表向きは同じようなことを言いますが、実際のところは怪しい部分が多いでしょう。

このハウスメーカーでは、男女で採用基準に差を設けず、まったく平等な視点で採用活動をしているとのことでした。

入社試験も入社後の成績も女性が上回った

平等に入社試験を行うと、女性の平均値が男性の平均値を上回ります。

そのため、必然的に女性の合格者が増えるそうです。

その結果、多くの女性社員が営業職として入社しています。

入社後の成績を見ても、女性の方が優秀という結果が出ているとのことでした。

公平な採用試験で女性の合格者が増えるという話と、建築学科出身の新卒女性営業の志望動機については、新卒の女性住宅営業の志望動機で解説しています。

世の中の論調を見ていると、よく考えもせず「女性の方が男性より優秀ですよね~と言っておけばいいだろう」という風潮をたまに感じます。

私はそれが非常に気にかかっているので、本記事ではそのような考え方で書かないことを明言しておきます。

役員氏の話は、平等に試験を行った結果として出た、動かしがたい事実です。

入社後に伸びる新卒営業の特徴は、住宅営業の新人育成の事例で解説しています。

女性の住宅営業が抱える3つの問題点(女性営業部長Kさんの話)

規模はさほど大きくない中堅の住宅会社に、女性営業部長のKさんがいます。

Kさんは住宅営業一筋で、結婚と出産の後も営業職を続け、そのまま現在のポジションに昇格した人物です。

自身が女性であるため、Kさんは女性営業の問題に大きな関心を持っており、自らも悩んだ経験があります。

結婚よりも出産と育児による休暇

結婚退社による早期退職のリスクは、古典的な問題です。

Kさんは結婚と出産を経験しながら住宅営業を続けてきたので、話に極めて説得力がありました。

Kさんによると、本人に強い意志があれば、結婚自体は仕事を辞める理由にはならないそうです。

Kさんが問題として指摘したのは、出産と育児による休暇です。

出産による一時的な休職はやむを得ません。

しかし育児休暇となると、住宅会社の理解がなければとても取れません。

Kさんの会社は社長の理解が極めて高く、法令遵守の精神もあります。

そのため、出産時の休暇はもちろん、育児休暇もきちんと認める社風だといいます。

営業部長が女性ということもあり、Kさんの会社では女性営業が全営業の半分を占めています。

育児休暇を認める社風に加えて、配属や任せ方で女性営業の定着と成績が変わる点は、ハウスメーカーの女性営業の育て方で解説しています。

長時間労働による体力の問題

男女間の体力差は、いかんともしがたいものがあります。

住宅営業は、お客さんが仕事から帰ってから商談をする構造なので、退社時間が遅くなりがちな仕事でした。

Kさんの会社でも、15年程前は長時間労働が常態化していました。

Kさんによると、女性営業への理解がいくらあっても、体力的に厳しくて退社する女性営業の比率は高かったそうです。

しかし、働き方改革によって、この問題はかなり払拭(ふっしょく)されてきたといいます。

ハードワークで知られた大手の住宅会社でも、営業社員に無理を強いることは激減しました。

自社だけでなく他社も営業時間をセーブせざるを得ないので、互いに公平な状況になったとKさんは指摘します。

ご主人に気に入られたときの奥様の嫉妬

Kさんとの話で最後に盛り上がったのが、この問題です。

若い女性営業に起きやすい問題で、お客さんであるご主人が女性営業を気に入ってしまうケースがちょくちょく発生します。

それだけなら問題はありませんが、嫉妬というと大げさですが、奥様があまり良い感情を持たないのです。

この問題は隠れていて表面化しにくいものの、私もこのケースは多々あると確信しています。

商談の進め方以前に、社会人としての常識が原因で退職に至った営業社員の例は、住宅営業を辞めたいと思ったときの体験談で解説しています。

女の子がいる家族との商談で女性営業が話を弾ませた体験談

女性であることが住宅営業の商談で有利に働くのも、事実です。

ここで紹介するのは、入社4年目で26歳の女性社員の話です。

私は彼女を入社時から知っていますが、彼女は今では、年間に8棟から9棟を販売できる力を身につけています。

私が彼女にいろいろ質問したところ、彼女は男性営業と比べて女性であることが明らかに有利に働いた接客事例を教えてくれました。

その一つが、お客さんに女のお子さんがいるケースです。

5歳の女の子がいるお客さんを接客したとき、彼女は自分の話を重ねながら次のように話したそうです。

「私が小学校一年生のときに親が自宅を建てたのですが、そのときは6畳程の部屋をもらって、横幅2mのクローゼットを部屋につけてもらいました。ところが中学校に上がる頃になって洋服がどんどん増えるようになりまして、そんなクローゼットでは全く量が足りなくなってしまったんですよね。ですから、女の子の場合はそのあたりも考えて収納を作ってください」

このトークは、男性営業が話すよりもリアリティーが出ます。

彼女はほかにも、女性ならではの話で奥さんと話が弾んだ例をいろいろと教えてくれました。

母親と一緒にキッチンに立って食事を作った話や、物干しから下着を盗まれたので防犯が重要だという話などです。

奥さんの「かわいい」を理解できるのは女性営業の強み

女性がよく口にする「かわいい」という言葉に、男性の私は戸惑うことがあります。

例えば喫茶店でパフェを注文したとします。

目の前に出てきたパフェを見て「このパフェかわいいわね!」と感想を漏らすのは、まず女性です。

男性には、基本的にこうした感覚が備わっていません。

積水ハウス時代にインテリアコーディネーターから教わったこと

私が積水ハウスに入社したての頃、当時40代だったインテリアコーディネーターの女性から、あることを教わりました。

「展示場接客をしていて、なんでもいいんだけどもう奥さんが“これってかわいいわね”と口にしたらそれは要チェックだわよ。女性が“かわいい”と言うときは、対象物に極めて高い好印象を持ったということだからね」

私はこのとき大変納得した記憶があり、この感覚は男性と女性で大きく異なるでしょう。

感性の面から見ても、女性営業は奥さんの心をつかみやすい特徴を持っています。

この感性に建築の知識や間取りのアドバイス力が加われば、女性営業に極めて有利な状況が生まれます。

奥さんの「かわいい」という感覚に寄り添う接客の具体例は、若い奥さんの心をつかむ工務店の接客で解説しています。

アイフルホーム加盟店にいた辣腕(らつわん)女性営業

アイフルホームは、ローコスト住宅メーカーの老舗フランチャイズです。

中国地方のある加盟店に、とにかく売りまくる強烈な女性営業がいます。

私も彼女と話したことがあります。

彼女の性格はサバサバ系で、物事をスピーディーに進める人だということが、何気ない雑談からもすぐに分かりました。

彼女は、奥さんの気持ちをとらえるのが得意中の得意です。住宅展示場での接客では、ものの5分も話せば奥さんと完全に打ち解けられると、自信たっぷりに話していたほどです。

まとめ

住宅営業で女性が売れないわけではありません。

男女で採用基準に差を付けない大手ハウスメーカーでは、入社後の成績も女性の方が優秀でした。

女性営業部長のKさんが女性営業の問題点として挙げたのは、出産と育児による休暇、長時間労働による体力の問題、奥様からの嫉妬の3つです。

一方で、女の子のいる家族との会話や、奥さんの「かわいい」を理解できる感性は、女性営業ならではの強みです。この感性に建築の知識と間取りの提案力が加われば、女性営業は極めて有利な状況をつくれます。

ぜひ本記事の女性営業部長と役員の話、現場の体験談を参考に、自社の女性営業が売れない原因が住宅会社の環境にあるのか、商談の進め方にあるのかを見直してください。

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