住宅展示場の外回り接客|敷地調査アポ率を8%→15%にした方法

住宅展示場で土地をお持ちのお客さんに「敷地調査をさせてもらえないでしょうか」と切り出しても、簡単にはOKが出ず、次回のアポイントにつながらないことがあります。無料で調べると伝えても、アポは簡単には取れません。
私がコンサルに入った関東のA社では、住宅営業が建物の裏や隣地との関係まで案内する外回り接客を徹底したところ、接客数に対する敷地調査のアポ率が8%から15%に上がりました。他社の営業が案内しない建物の裏は、敷地調査の必要性をお客さんに伝える材料になります。
本記事では、住宅展示場と現場見学会での外回り接客の進め方と、敷地調査のアポを取るトークを解説します。
住宅展示場の外回り接客は他社の住宅営業がしない差別化になる
住宅展示場の接客は室内だけではなく、展示場の周囲を案内することも、庭の説明をすることもできます。
現実にはそういう場面はあまり発生しませんが、チャンスがあれば他社との差別化として取り入れると面白いと私は考えています。
私自身もごくたまに展示場の裏まで接客しましたし、現場見学会ではその頻度がかなり高かったです。
他社の営業マンで、展示場の裏手まで説明する人はいません。
他社の営業がしないので自分はする、という簡単な理屈です。
展示場の裏まで案内した営業は、間違いなくお客さんの印象に残り、その後に追客するときにも有利に働くと私は思います。
初回接客全体の流れは分譲地での住宅営業の初回接客と立地説明のコツで解説しています。
建物の裏へお客さんを誘導する声かけ
お客さんは家を見に来ているので、営業がいきなり「家の裏を見に行きませんか?」と言えば興ざめします。
営業がお客さんをうまく誘導することが、外回り接客の最低条件です。
私は次のように声をかけていました。
「実際に家を建てたら、家の裏に何があるかなどを知っておいた方がいいですからね」
声をかける理由は何でもかまいません。家の裏を接客する手もあるということを覚えておいてください。
外回り接客が住宅営業の敷地調査アポにつながる理由
住宅営業における敷地調査とは
住宅営業の仕事は、住宅展示場に来たお客さんを接客して契約を目指すことです。
そのため営業は、初対面のときに何らかの理由を作って次回のアポイントを取ります。
土地を所有しているお客さん限定ですが、代表的なトークが次の一言です。
「土地をお持ちならば敷地調査をさせてもらえないでしょうか?」
家を建てるには土地が必要ですが、住宅会社はどんな土地かを確認しないままプランニングを始めるわけにはいきません。住宅会社が現地に行き、土地の形状を測ったり周囲の写真を撮ったりすることを敷地調査と呼んでいます。
無料の敷地調査でもお客さんがOKを出さない理由
敷地調査をネタにしたアポイントは王道中の王道で、住宅会社は基本的に無料で行うので「土地を無料で調査しますよ」という言い方になります。しかし、無料だからといって簡単にアポが取れるわけではありません。
お客さんが警戒するのは、無料という点です。
お客さんはだまされると思っているわけではなく、そこまで入り込んで無料でやってもらうと、後で断りづらくなると感じています。
そのため、お客さんは簡単にはOKを出しません。
無料にせず費用を預かって敷地調査を進めるやり方は、住友林業の敷地調査5万円の狙いで解説しています。
現場見学会の裏手で家の配置の話をする
このお客さんの迷いを動かすのが、建物の裏回りの案内です。
正確に言うと、住宅展示場よりも現場見学会のほうが効果が出ます。
現場見学会の会場は一般の住宅地にあり、裏手に家が建っていることが多いので、裏を案内することに意味が出てくるからです。
ポツンと一軒家では、この話は通じません。
営業が裏手でお客さんに伝えたいのは、次の一言です。
「家の配置をどうするか?どこまで寄せるか?はとても大事なことです」
営業は、実際にひしめき合っている隣地との関係をお客さんに見せて注意を促します。
南接道の土地を持っていれば、お客さんは建物をできるだけ北側に寄せたくなるのが人情です。
しかし、たとえ法的に問題がなくても、北側に寄せすぎると隣家とのトラブルや悪感情につながりかねません。
営業はこうした話を家の裏側を見ながらして、お客さんに敷地調査の重要性を刷り込んでいきます。
外回り接客で敷地調査のアポ率が8%から15%に上がった事例(関東のA社)
私の経験とコンサル先での実地指導から言えるのは、住宅展示場や現場見学会で建物の裏や周囲まで接客すると、敷地調査のアポ率が上がるということです。
関東地方に本社があるA社では、私が行くまでの平均アポ率が接客数に対して8%でした。
私がこの方式をしっかりやらせた結果、A社のアポ率は15%に上がりました。
対象にしたのは、更地を所有しているお客さんと、建て替えのお客さんです。
隣地との距離をビニールテープで示す住宅展示場の設営
住宅展示場でも現場見学会でもかまいませんが、やっていそうでどの住宅会社もやっていない設営があります。
それは、建物から敷地境界線までの距離を、ビニールテープでかまわないので見て分かるように示すことです。
隣地まで2mであれば、その数字が一目で分かるように書いておきます。
お客さんが窓際に立って外をのぞくと、隣地境界線から建物の際までをつないだビニールテープが目に入ります。
そこに【2m】などと書いてあれば、お客さんのほうから「このくらいは離さないとまずいのですか?」「これで2mもありますか?」と話を振ってきます。
お客さんが何も言わなければ、営業から話を持ちかければよいだけです。
隣地までの距離の話になれば、その延長で敷地調査が重要だという話につながります。
敷地調査で確認する現地・役所・インフラの項目は、土地調査チェックリストの書式で解説しています。
敷地調査のアポを他の営業の3倍近く取った「1/10話法」
私は敷地調査のアポを大得意としていて、他の営業の3倍近くは取っていたと思います。
自分のセンスで無意識にやっていた部分も多分にありますが、論理的に考えてやっていた部分も同じくらいあります。
その中心にあったのが、私の造語である「1/10話法」です。
「私は仕事で毎月10か所ほどの土地を敷地調査させてもらっていますが、その先にご縁があって契約させていただくのは10件のうち1件か2件ですね」
実際には、敷地調査のアポを毎月10件も取れるわけはなく、この10件ははっきり言うとふかしです。私がこのトークで伝えたかったのは、「10件も無料で敷地調査をしますが、8件、9件は断られて、どこかのメーカーでやっていますよ」という点です。
1/10話法は、あなたも簡単に断っていいのですよとお客さんに先に伝えて、無料の敷地調査への迷いを取り除くトークです。
私が試行錯誤の上に編み出した誘導方法なので、気になる方は試してみてください。
敷地調査のアポの取り方そのものは住宅営業のアポ取りのコツで解説しています。
ドローンで家の外回りを上空から見せる接客
家の周囲を案内するだけでなく、家の上からの眺めを見せる接客も有効です。
一般的とはいえませんが、ドローンを使って住宅展示場や現場見学会の上空からの映像を見せる住宅会社もあります。
ドローンなら真上だけでなく斜めからなど、さまざまな角度の映像を見せられるので、お客さんにとって非常に新鮮です。
ただ、ドローンを飛ばせる環境の場所でないと難しいこともあり、思ったほどメジャーな手法にはなっていません。それでも、室内だけを案内する従来の接客に加えて、ドローンで家の外回りを見せるやり方は、住宅会社がラインアップの一つとして準備しておくべきだと私は思っています。
まとめ
他社の住宅営業が案内しない建物の裏まで見せる外回り接客は、お客さんの印象に残るだけでなく、家の配置と隣地との関係を通して敷地調査の必要性を伝える場になります。関東のA社では、この方式で敷地調査のアポ率が8%から15%に上がりました。
住宅展示場の窓から見える位置にビニールテープで隣地までの距離を示す設営は隣地との距離の話のきっかけになり、断ってもいいと先に伝える1/10話法は無料の敷地調査へのお客さんの迷いを取り除きます。
ぜひ本記事の外回り接客の進め方と1/10話法を参考に、次の住宅展示場や現場見学会でお客さんを建物の裏まで案内してください。



