ハウスメーカー営業がお客さんにモテる理由|取材で聞いた3つの行動

ハウスメーカー営業がお客さんにモテる理由|取材で聞いた3つの行動

問い合わせの電話を受けるたびに建築時期や資金計画を聞き出し、「一度お会いしたい」と粘る住宅営業がいます。私が取材したお客さんは、そうした電話をしてきた住宅会社ではなく、「よかったらまた来てください」とだけ返した営業と契約を結びました。

お客さんにモテたハウスメーカー営業は、しつこくしない、競合他社をけなさずに説明する、契約後のショールーム見学に全部付き合う、の3つを続けていました。先日の住宅営業研修で使った取材ビデオでは、入社3年目のこの営業を、お客さんが「営業の●●さんは非の打ち所のないぐらいすごかった」とベタ褒めしています。

本記事では、取材で聞いたお客さんの評価と、要望を聞かずに断られた大手ハウスメーカーの事例をもとに、お客さんにモテる住宅営業の行動を解説します。

お客さんにモテるハウスメーカー営業は入社3年目の中途社員

先日、私は長くお付き合いしている住宅会社で、リモートを使った住宅営業研修を行いました。今年の研修では、私が事前に取材したお客さんのビデオを題材にしています。

研修では毎回2組か3組のお客さんを取り上げます。

他の取材では、大なり小なり担当営業の悪い部分もそれなりに出てきますが、このとき使ったビデオのお客さんは違いました。

私がどんな角度から聞いても、そのお客さんは担当営業をほめ続けたのです。

他業種の営業から転職して同期でほぼトップになった

担当営業を、ここではB君と呼びます。B君は30歳手前で、大学を出た後に他業種の営業を経験し、いまの住宅会社に転職してきました。

B君は営業に配属されてすぐに頭角を現し、同じキャリアの営業社員の中ではほぼトップの成績を上げています。

大ベテランの先輩営業の成績には及ばないものの、B君は住宅会社に大きな利益をもたらしています。

B君の性格を一言で表すなら、意見をはっきり言う、まっすぐなタイプです。

何としても売る意志と粗い契約をしない姿勢

B君に会うたびに私が感じるのは、何としても売るという強い意志です。住宅営業である以上、数字を上げるという強烈な意思がなければ話になりません。

住宅・不動産の世界は収入に占めるインセンティブの割合が大きいため、お金を稼ぎたい人にとっては絶好の職場です。

インセンティブ目当てで粗い契約を繰り返す営業マンもたくさんいますが、B君はその部類には入りません。

取材に応じてくれたお客さんも、B君について「友達がいたらどんどん紹介したい」とまで話していました。

B君にはインセンティブがたくさん入り、住宅会社は利益が上がり、お客さんは大満足しているので、みんながハッピーになっています。

こんな営業社員がいれば、住宅会社は全てがうまくいくのです。

お客さんから紹介をもらうための頼み方は、紹介営業のコツで解説しています。

ハウスメーカー営業がお客さんにモテた3つの行動

問い合わせの電話で「よかったらまた来てください」と返した

お客さんとB君の最初の接点は電話でした。お客さんが住宅会社の事務所に問い合わせの電話をかけたところ、たまたま出たのがB君で、お客さんはそのときのことを次のように話しています。

「他の会社は電話をすると、いつ建てるつもりか、資金はどうなっているのか、一度会いたい、などとかなりしつこく粘ってくるんですよ。ところがBさんは、よかったらまた来てください、というある意味そっけない返事だったんですよね(笑)でも、これは私にとっては好感触であり安心もできたのです」

お客さんは電話の段階で、B君なら実際に会って相談しても、しつこい勧誘や訪問は受けないだろうと感じたそうです。

実際に会って商談をしてもB君はしつこくなく、お客さんがよければ次に話を進めましょうという態度でした。

お客さんはそのまま、B君の住宅会社と契約を結んでいます。

お客さんが息苦しく感じない距離で付き合える営業については、住宅営業に向いている人の特徴で解説しています。

競合3社の特徴をけなさずに説明した

この商談では他の3社と競合しましたが、お客さんはB君がその3社についてもよく知っていたことに感心していました。B君は3社の悪口を言ったり、けなしたりすることは一切なく、各社の特徴や技術を分かりやすくお客さんに説明したそうです。

競合の場面では、他社の営業が墓穴を掘っているケースも多々あります。

今回の取材でも、競合3社のうち1社はある大手ハウスメーカーで、お客さんは「その会社はBさんの会社をかなりけなすんですよね」と話していました。

お客さんにとっては、このけなし方がその大手ハウスメーカーの営業に不信感を持つきっかけになりました。

他社の悪口を言い、欠点をことさら強調してネガティブキャンペーンに持っていく住宅営業は、相当数いるのが現状です。

私がそう言えるのは、取材でこの話をちょくちょく聞くからです。

しかし、まっとうな営業をしている住宅営業マンにとっては朗報と言えます。

自分が悪口を口にしなくても、競合会社の担当営業が自社の悪口を言っている可能性が少なからずあるからです。

私も現役時代には、心の中で「頼むから積水ハウスの悪口をボロクソに言ってくれないかな」と思っていました。競合会社の担当営業が墓穴を掘ってくれることを、私はひそかに願っていたのです。

競合の悪口や他社プランへのけちで信頼を壊し、最終候補に残りながら失注した住宅営業の実例は、クロージングで失注した住宅営業の行動で解説しています。

契約後のショールーム見学に全部付き合った

契約後の話になりますが、B君はTOTOやパナソニックなどのショールーム見学に全部付き合ったそうです。お客さんはこの対応に大きな満足を示しており、友達を紹介したいという気持ちを後押しする大きな要因になっています。

理屈では分かっていても、住宅営業がなかなかここまでできないのが現実で、働き方改革の影響で時間を割けないという事情もあります。

そうしたハードルがないと仮定すれば、同じ行動を取った住宅会社はお客さんから大きな信頼を得られます。

新規業務の妨げにならず、長時間労働にも陥らないようにショールームに同行することは、決して無理ではないと私は考えます。

要望を聞かない営業はモテない(大手ハウスメーカーの事例)

今回の取材では、最大の競合となった大手ハウスメーカーの話も出てきました。

この話は取材のたびに出てくるのですが、何度話してもなかなか信じてもらえないので、改めて紹介します。

取材では、伝えた要望を担当営業が聞いていなかったというお客さんの声が実に多く聞かれます。

左右分離の二世帯住宅を頼んだのに上下分離のプランが出てきた

お客さんは、誰もが知る大手ハウスメーカーの担当営業に、左右分離型の二世帯住宅を希望していると伝えていました。ところが、担当営業が持ってきたのは上下に完全分離した二世帯住宅のプランでした。

お客さんが「これは私の要望と違うのですが……」と伝えると、担当営業は次の言葉を当たり前のように返してきたそうです。

「今は真横に分けることはあまりないです。ですから上下に分けるプランを私は提案したいと思います」

プロの提案である以上、上下分離を勧めること自体はかまいません。しかし、そう考えるのであれば、担当営業はヒアリングの段階で次のように伝えるべきでした。

「左右に分けたいというお客様の気持ちは分かりますが、今はどちらかというと上下に分ける方が主流でして、その理由は……」

前置きがあってから提案されれば、お客さんもそれなりに納得したはずです。

何の説明もなく要望と違うプランを持ってこられては、お客さんが承服できるわけがありません。

お客さんは担当営業の態度にあきれ果て、次のアポは取らずに商談を打ち切りました。

断られた理由に最後まで気づかなかった担当営業

大手ハウスメーカーの担当営業は何回も電話をかけて食い下がったそうですが、お客さんは断った理由を最後まで伝えませんでした。

担当営業は、なぜ断られたのかが最後まで分からなかったと私は思います。

取材で、私はお客さんと次のような話をしました。

私「そのハウスメーカーの担当営業マンは、自分がどうして断られたかという理由を分かってたんでしょうか」

お客様「いや、あの口ぶりですと意外だという感じがにじみ出ていたので、全くそのあたりは察していないと思います。私からすれば希望とは異なるものを持ってきたわけですから、その時点で話にならないのですけども、そんな簡単なことに気づいていないんですよ」

この話、すごいと思いませんか。契約したお客さんへの取材から分かった奥さんへの接客は、ハウスメーカー営業の奥さんへのトークで解説しています。

まとめ

お客さんにモテるハウスメーカー営業のB君は、問い合わせの電話でしつこくせず、競合3社をけなさずに説明し、契約後のショールーム見学にも全部付き合いました。

どんな営業の世界でも、成功している人の真似をすることが一番の近道です。

B君が評価されたのは高度な技術ではなく、誰でも真似できる行動です。

B君とは逆に、要望と違うプランを出して断られ、断られた理由にも気づかない営業マンが、現実にはたくさんいます。住宅会社の経営者や幹部の方は、営業担当者にこの事例を伝えてください。

ぜひ本記事のB君の事例と大手ハウスメーカーの失敗例を参考に、自社の住宅営業がお客さんにどう見られているかを見直してください。

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