住宅展示場の覆面調査で見た営業の実態|競合の悪口と嘘の事例

住宅展示場の覆面調査で見た営業の実態|競合の悪口と嘘の事例

住宅会社の社長が決めた接客ルールが守られているかも、競合の営業マンが自社をどう話しているかも、事務所にいては住宅展示場の中のことを確かめられません。

住宅展示場の覆面調査を使うと、営業社員の接客の実態がビデオに残ります。

関東のR社では、社長が厳命した着座での会社案内を2年生社員がすっぽかす様子が映りました。

L社が依頼した競合調査では、L社の悪口を並べる営業マンや「震度8でも耐えられます」と話す営業マンが映っていました。

本記事では、住宅展示場の覆面調査会社から聞いた実話を解説します。

住宅展示場の覆面調査は誰が何のために依頼するのか

覆面調査は今やさまざまな業種で当たり前のように行われていて、住宅展示場にも営業社員が知らないうちに調査員が入り込んでいます。私が話を聞いた調査会社は、正確には住宅展示場の覆面調査も含めて、いろいろな調査を請け負う会社です。

住宅展示場の覆面調査で依頼が最も多いのは、住宅会社が自社の営業の接客をチェックする目的の調査です。

住宅会社の経営者は、数字が取れているうちは落ち着いていますが、少しでも下落傾向が出ると不安を感じます。

住宅展示場の来場者が減れば契約数もそれに準じて減るため、経営者は来場者数の変化にも敏感に反応します。

依頼の中身は、自社の接客を調べる調査と、競合会社の接客を調べる調査の2タイプに分かれます。

調査のタイプ依頼の目的本記事の事例
自社の接客調査社長の指示が住宅展示場で守られているかを確かめる関東のR社
競合会社の接客調査競合の接客トークや、競合が自社をどう話しているかを確かめるL社が依頼した2社の調査

覆面調査で会社案内の手抜きが映った住宅会社R社の事例

関東圏の中堅規模の住宅会社であるR社には、営業マンが数十人います。R社の社長は、住宅展示場での接客の実態を知りたいと考え、調査会社に覆面調査を依頼しました。

社長が厳命した「着座での会社案内」が形だけになっていた

R社の社長は、営業社員に「接客時には必ず会社案内を着座して行うこと」と厳命していました。

営業社員たちも一時は実行していましたが、社員数が増えて時間が経つうちに、なあなあの状態になっていきました。

社長もこの実態に気づいていたため、調査会社に依頼して、証拠として映像に残そうと考えたのです。

私は調査の直後に、調査会社と綿密な打ち合わせをしたR社の幹部社員と話をしました。幹部社員は、社長の雷が落ちるのではないかと戦々恐々としていました。

2年生社員J君の60分の接客ビデオ

調査当日の午後2時、調査員は2年生社員のJ君が住宅展示場にいることを確認してから潜入しました。J君は60分程度の接客をこなし、調査員はそのまま退場しました。

私もこのビデオを見ましたが、J君はものの見事に会社案内をすっぽかしていました。会社説明用の説明シートは準備してあるのに、J君からの会社の説明は皆無でした。

社長の怒りは幹部社員に向かった

調査会社から報告を受けたR社の社長は大噴火しました。

「俺があれほど指示したことをなんでお前らはやらせないんだ!!」

R社の社長の怒りの矛先はJ君ではなく、幹部社員に向かいました。

ある程度の規模の組織になると、当然こうなります。

その後、幹部社員はJ君と直属の店長を同時に呼びつけ、厳しく叱責しました。

R社の調査は、社長の了解のもとで自社の中で完結する覆面調査なので、何の問題もありません。調査された営業マンはたまらないでしょうが、本人にとってもいい機会だと私は思います。

自社の接客を覆面調査で確かめるときの確認項目や、映像に残して文字起こしする手順は、住宅営業の接客を覆面調査する方法で解説しています。

住宅展示場の接客で会社案内を着座して行う効果

R社では、この1件以来、会社案内のルールが完全に定着しました。

私は、R社の営業マンが住宅展示場で接客する場面を数回見学しましたが、営業マンが着座した状態で会社案内をしっかりこなす姿を何回も見ています。

お客さんの満足度も明らかに上がっていると、私は実感しています。

私は、住宅展示場の接客で会社案内をきちんと行うことは大事だと考えています。

私のコンサル先であるU社でも営業社員に会社案内を実践させたところ、着座率が明らかに向上し、契約に寄与しています。

U社の営業社員が次のように聞けば、お客さんはかなりの確率で着座して話を聞いてくれます。

「弊社のご案内をさせていただきたいので、5分だけお時間をもらえませんか?」

会社案内を含めた初回の接客の進め方は、住宅営業の初回接客のコツで解説しています。

初回接客の冒頭で来場客がホームページやSNSを読み込んでいるかを確かめ、割愛してよい説明を聞く進め方は、初回接客でホームページ閲覧を確かめる理由で解説しています。

競合他社への覆面調査で聞き出したL社の悪口

「競合会社の接客を見てみたい」という依頼

調査会社の社長から聞いた話では、自社の接客調査をした住宅会社からは、次に「競合会社の接客を見てみたい」という依頼が出てくるそうです。

依頼の中身は、競合会社の接客をスパイしてほしいということです。

住宅会社が自社を調べた次に他社を気にするのは自然な流れで、きわどい話ですが、調査会社は頼まれると基本的には何とか受ける方向で動くようです。

調査会社に頼まずに自社の若手社員を客として他社の住宅展示場へ送るやり方は、展示場巡りによる住宅営業の競合調査で解説しています。

「L社さんってどうなんですかね?」への競合営業の答え

私は、調査員が撮影した映像と、競合会社に潜入した報告書を見ながら、L社の社長に報告する場に同席したことがあります。

L社長「(撮影ビデオを見ながら)こんな接客トークをしているんやね。なかなかうまいもんやな」

調査員「私もここまでうまいとは思わなかったですが、実にそつなく接客しますし、話の流れもよかったですよ」

L社長「そうなんだ……あっ、面白い質問してるじゃない」

L社の社長が言った「面白い質問」は、調査員が競合会社の営業マンに投げかけた次の一言でした。

「ところでL社さんってどうなんですかね?」

この質問に対して、競合会社の営業マンの口からは、悪口が出るわ出るわのてんこ盛りでした。ほかの場面がまともだっただけにこの場面が際立っていて、今どきあんな悪口営業をする営業マンがいるのかと私も驚きました。

L社が耐震等級3を積極的に取っていないことは当たっていますが、それ以外は完全に風説の流布で、いくらなんでもひどすぎます。L社の社長は当然怒り心頭でしたが、公に抗議するわけにもいかず、怒りの持っていきようがない様子でした。

覆面調査で映った嘘を並べる住宅営業とローン肩代わりの提案

40代前後の営業マンが話したでたらめ

L社が依頼した競合調査のビデオには、先ほどとは別の住宅会社の接客も映っていました。この住宅会社も、L社がたまに競合先として当たる会社です。

この調査で私が驚いたのは、悪口ではありませんでした。

対応した営業マンはどう見ても40代前後で、転職組かもしれませんが、新卒入社でないことだけは確実です。

この営業マンは、故意に嘘を言っているのではないかと思うほどのでたらめぶりを発揮していました。

この営業マンの嘘はほかにもまだまだあり、笑ってしまうほどのオンパレードでした。

しかし、L社の社長は逆に安心していました。

L社の社長は、こんなレベルの低い営業が相手ならうちは大丈夫だと考えたのです。

自動車ローンを肩代わりすると言う住宅会社

「自動車ローンをうちが肩代わりしますよ」と言う住宅会社もありました。

住宅ローンの審査では、お客さんがほかにいろいろなローンを抱えていることが不利になります。

そこで住宅会社が自動車ローンをいったん肩代わりして解消し、お客さんにはオーバーローン分で返済させるわけです。

さすがにいけないことだと私は思いますが、実際には横行しているのでしょう。

私が工務店の経営者ならば、間違ってもこんなことは営業社員にやらせません。

あまりに危険です。

まとめ

住宅展示場の覆面調査は、自社の接客チェックに使われることが最も多く、R社では会社案内のルールが守られていない実態が映像に残り、その後ルールが完全に定着しました。L社が依頼した競合調査では、L社の悪口を並べる営業マンや、でたらめな嘘を平気で話す営業マンの姿まで映っていました。

ぜひ本記事の覆面調査の事例を参考に、自社の住宅展示場で接客ルールが守られているかを確かめてください。

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