住宅展示場の成約率は何%必要?10組来場で3件契約を目指す理由

住宅展示場に来るお客さんは、6社も7社も回りません。
インターネットで絞り込んだ2〜3社のモデルハウスだけを見て、じっくり話をして帰っていきます。
来場する組数は減り、大手ハウスメーカーも展示場からの撤退を進めています。
来場者が多かった時代は、10組の来場で1件契約できれば最低限という認識でした。
しかし私の計算では、今は住宅展示場の成約率が20〜25%ないと採算が取れません。
私が工務店の経営者なら目標を30%に置き、10組の来場から3件の契約を目指します。
本記事では、住宅展示場の成約率の目安、目標から毎月の来場数と折衝数を逆算する方法、営業社員にも集客を任せる理由を解説します。
住宅展示場の来場者数が減り、成約率の基準が変わった
コロナによって、さまざまな状況が変わりました。
住宅展示場や現場見学会への来場者数は、もともと減少傾向にありました。
そこへコロナが重なってさらに減ったことは、データからも明らかです。
栄枯盛衰を繰り返してきた総合住宅展示場は、今まさに“枯れて衰えて”いる状態だといってよいでしょう。
大手ハウスメーカーが大慌てになるのも頷けます。
大手ハウスメーカーは展示場からの撤退を加速させ、営業社員の採用も厳選する傾向がはっきりしてきました。
営業の頭数を増やして一気に営業をかければ、ある程度の受注が見込める時代ではなくなりました。
総合住宅展示場の来場者数は20〜30%減った
総合住宅展示場への来場者数は、4〜5年前と比べても20%減から30%減という数字です。
コロナの影響が大きいのは事実です。
ただ、お客さんが展示場にふらっと訪れて6社も7社も見学するスタイルが下火になったことも、大きな原因です。
今のお客さんは、インターネットで見たい住宅会社を2社か3社に絞り、その会社だけを目当てに総合住宅展示場へやってきます。
20棟、30棟と建物が並ぶ大型の総合展示場でも、お客さんは欲張りません。
決めた会社だけを見学し、そこでじっくり話をして帰っていきます。
来場客がこうした動き方をするようになると、住宅会社がこれまでのようにあちこちに住宅展示場を建てていては採算性が低くなります。
大手の撤退跡に出店するアイ工務店の逆張り
一方で、アイ工務店のように破竹の勢いで快進撃を続ける、珍しい住宅会社もあります。アイ工務店は本社が大阪で、西日本のほぼ全域に出店を終えており、北は北関東にまで勢力を伸ばしています。
アイ工務店の戦略は、大手ハウスメーカーが撤退した跡地を狙って進出していく逆張りのやり方です。
私は、アイ工務店が北海道に出てくるのも時間の問題だと思っています。とはいえアイ工務店は例外で、住宅展示場の市場そのものは縮小しているのが現状です。
大手ハウスメーカーの展示場撤退とアイ工務店の逆張り出店については、住宅展示場の閉鎖が進む理由で解説しています。
住宅展示場の成約率は10%では採算が取れない
少し前までは、10組の展示場来場のうち1件と契約できれば、褒められた数字ではないものの「まぁ、最低限なんとかなったか」という認識でした。成約率にすると10%です。
しかし今は、成約率10%では話になりません。
私の計算では、採算の取れる目安は20%から25%です。
営業社員は4件接客したら、そのうち1件は何としても決めなくてはいけません。

数字だけ見ると厳しくなりましたが、私は折衝そのものは昔よりやりやすい時代になったと考えています。
来場するお客さんの中身が濃くなっているからです。
営業社員は無駄な追客をする必要がなく、来場したお客さんに全力投球して、競合先とがっぷり四つの相撲を取れます。
質の高い提案をすればそれだけ成約率が上がるので、営業としてもやりがいがあります。
来場客が多い時代は無駄な追客も数多く発生していました。
そのため地場の工務店は、若い営業マンを大勢抱えるハウスメーカーのパワーになかなか勝てませんでした。
今はお客さんの数が減ったものの、濃いお客さんが増えたともいえます。
工務店がさほど悲観する必要はないと私は思います。
成約率30%から逆算する住宅展示場の来場数と折衝数
私が工務店の経営者であれば、10件の来場のうち3件を是が非でも契約するよう、営業社員に指示を出します。目標の成約率を30%に置くわけです。
10組の来場から5組と折衝して3件を契約する
10件のうち3件の契約を目指すなら、10件の来場のうち半分の5件とは具体的な折衝に入らないと話になりません。
営業社員はその5件のうち最悪でも2件の契約を死守します。
そこにもう1件を何とか上乗せできれば3件の契約となり、目標達成です。
営業社員は、すべてこの数字を念頭において動けばよいのです。
来場客を具体的な折衝へ進める方法は、住宅営業のアポ取りのコツで解説しています。
単独展示場・営業社員3人なら毎月2棟が最低ライン
あなたの会社が単独展示場を1棟持ち、営業社員が3人いると仮定します。
この場合、毎月3棟受注できれば合格です。
最悪でも2棟の受注ペースで行けば、年間受注棟数は24棟、営業社員1人当たりの受注数は年間8棟になります。
住宅会社が最低でもこのペースを守る目標を立てて行動すれば、そこから若干落ち込んでも経営がおかしくなることはありません。
毎月10組の新規来場を確保する
次に住宅会社が考えなくてはいけないのは、住宅展示場への新規来場客数の確保です。
毎月2棟受注するなら、最低でも10組の来場を確保しないと枕を高くしては寝られません。
ただし、10組の来場があっても、そのすべてが濃いお客さんとはいきません。
半分の5組が真剣に考えているか、それに準ずるお客さんでなければ、毎月2棟の受注はおぼつきません。
新規来場客を増やす方法の一つとして、展示場での呼び込みが来場者数と契約数をどう変えたかは、住宅展示場の呼び込みの効果で解説しています。
「集客は住宅会社の仕事」という考えは間違い
住宅会社の体制や事情にもよります。
それでも、集客は会社の仕事で、営業社員は契約を取ることに専念すればよいという考えは、かなり危険だと私は思います。
私が経営者であれば、このような体制には決してしません。
会社は会社で集客の努力をします。
そのうえで私なら、営業社員にも「自らが知恵を絞り、汗を流して、お客さんをどうやって呼び込むかという企画を考えて欲しい」と通達を出します。
会社の風土として「俺は営業だから集客は関係ないよ」という空気ができあがってしまうと、経営者がそれを覆すのは至難の業です。
営業社員が自分で見込み客を探す方法は、住宅営業の探客方法で解説しています。
今年度の新入社員研修で「自分でお客さんを探してくるように」と指示
私は今年度、相当な規模がある住宅会社の新入社員研修を4月から通年で任されています。
カリキュラムの一つとして、新入社員には「自分でお客さんを探してくるように」と明快に指示を出しました。
今がちょうどその時期にあたります。
住宅会社が予算をある程度つけたうえで、新入社員が自分たちの責任でお客さんを探してくる企画を立てるよう、私から指令を出しています。
お客さんを呼び込む企画の実例として、新規40組を集めたイベントの仕掛けと集客ゼロの失敗例は、住宅展示場のクリスマスイベントで解説しています。
その企画で集客ができれば、新入社員には担当者として大手を振って追客する権利が生まれます。
新卒のうちにこの発想を植え付けると、新入社員の成長に大きく役立ち、同時に会社の足腰がものすごく強くなります。
この考え方に、会社の規模は関係ありません。
まとめ
総合住宅展示場の来場者数は20〜30%減り、成約率10%で何とかなった時代は終わりました。
私の計算では採算ラインは20〜25%です。
目標は30%強に置き、10件の来場があったら3件の契約を何としてでも取る必要があります。
すべての行動はこの数字から逆算し、毎月の来場数が足りなければ即座に策を打ってください。そのうえで、営業社員が自らお客さんを探してくる癖をつけさせることが、来場客が減る時代を乗り切る土台になります。
ぜひ本記事の成約率30%からの逆算を参考に、自社の住宅展示場の来場数と折衝数を毎月点検してください。



