住宅展示場の来場者数は増えた?2023年正月に記名66組の工務店

正月の総合住宅展示場の1か所では、ヒーローものをメインにしたイベントに大勢の人が集まっていました。ところが、出展している某住宅会社の店長に聞くと、自社のモデルハウスの来場者数は前年より増えたものの、ほぼ想定内だったそうです。
2023年1月2日と3日に中部地方の総合住宅展示場2か所を回った私の見立ては「思ったより人は出ていた」です。一方、イベントを工夫した地元工務店のBホームは、単独展示場で2日間に記名66組の来場を集めました。
本記事では、2023年正月の住宅展示場の来場者数の実態と、来場者を集めたイベントの中身を解説します。
2023年正月の住宅展示場の来場者数は思ったより多かった
私が回った総合住宅展示場は2拠点だけなので、全国平均を取れば数字は違うかもしれません。それでも、新築を希望する人がどんどん減っている状況を考えると、住宅展示場にモデルハウスを持つ住宅会社は、ほっとひと息ついたかもしれません。
正月の住宅展示場には帰省中のお客さんも訪れます。その接客で確認したい親の考え方は、盆暮れ正月の帰省客の接客で解説しています。
人が出た要因として私が挙げるのは、コロナ疲れです。
いろいろな業界で言われていることですが、コロナでイベントが制限され続けたため、その反動が2023年の正月のイベントに出たと私は考えています。
住宅展示場も同じで、家を建てる予定の人だけでなく、当面は建築予定がないお客さんも、総合住宅展示場が開くイベントに足を運んだと私は思います。
当面は建築予定がない来場者への向き合い方は、「まだ先」の展示場来場者の追客で解説しています。
住宅展示場に限らず、ニュースでも「お客さんでごった返しています」という現地レポートが流れていました。「イベントを行ったら信じられないぐらい人が来た」という現象は、2023年は確実に起こると私は考えています。
総合住宅展示場の人出と自社モデルハウスの来場者数は分けて見る
ヒーローショーに人が集まっても自社の来場は想定内だった
私が訪れた総合住宅展示場の1か所では、いわゆるヒーローものをメインにしたイベントを行っていました。私が帰った後に、出展している某住宅会社の店長に様子を聞くと、次のような返事でした。
「午後の部はめちゃくちゃお客さんが来ていましたよ」
しかし、住宅会社にとっては、自社のモデルハウスに何人来たかが勝負です。
この住宅会社の来場者数は2022年の正月よりは増えたものの、ほぼ想定内の範囲だったようです。
前年の年末年始は行動制限がかかっていたので、その時期と比べて増えたといっても、あまり参考にはなりません。
ただ、イベントを打てば人が来ることは、ほぼ間違いないと私は判断しています。
自社のモデルハウスへの来場者を増やす方法は、住宅展示場の呼び込みの効果で解説しています。
単独展示場で記名来場66組を集めた工務店Bホーム
ある県で単独住宅展示場を構える地元の工務店、Bホームの話も聞きました。
Bホームは1月2日と3日の2日続けて正月イベントを打ち、その来場状況を聞いて私は久しぶりにたまげました。
アンケートに記名した来場組数が66組あったのです。
Bホームの社長によれば、アンケートの記入を拒んだ方や、忙しくて取り損なった方も入れると、この数字はさらに1割から2割ほど増えるそうです。Bホームはこの2日間に、3つのイベントを組み合わせていました。
見学会の来場者に記入してもらうアンケートの書式は、イベントアンケートテンプレートで解説しています。

相続や金利動向の30分セミナーに20名が参加
Bホームは2日間にわたって、相続や金利動向など4つのテーマで、それぞれ30分程度のセミナーを開きました。
このセミナーがなかなか好評で、4テーマ合わせた参加者数は20名だったそうです。
1つのセミナーの参加者は平均で5名になるので、「そんなもんか……」と感じる住宅会社の方もいるかもしれませんが、私から見ればかなり集客できたと断言できます。
私は詳細までは聞いていませんが、セミナーの参加者の中には積極的に建築を考えている方が2人いたそうです。
これは素直にすごいと私は思います。
住宅展示場でセミナーを開くときの段取りは、展示場の再来場を生むイベント企画で解説しています。
JFLのプロサッカー選手2人によるドリブル指導
Bホームが現場に呼んだのは、JFLのチームに所属する2人のサッカー選手でした。
プロサッカーチームは上から順にJ1、J2、J3があり、その下にJFLが位置しています。
Jリーグのチームを呼ぶのは難しく、呼べたとしてもギャラが大変です。
一般の人が注目しているのはJ1なので、そこから3つ下のJFLのクラブは財政も大変です。
そのため、住宅会社がさほど経費をかけなくても、声をかければクラブはこの手のイベントに積極的に選手を派遣してくれます。
それでも集客効果は抜群で、サッカー好きの人や子どもにとっては「プロの選手が来るんだ」となります。
当日は選手がドリブルの実地指導などを行い、とても盛り上がったとBホームの社長が話していました。
子どもに人気の消火器噴射体験会
消火器噴射体験会は、もともと私がBホームの社長に教えたイベントで、子ども向けとしてはかなり受けがいいものです。本物の消火器を使うわけではなく、中に水が入った道具のレバーを握ると水が噴射され、標的に当たる仕掛けになっています。
私が企画に携わるときは、次のようなキャッチコピーを付けて宣伝します。
「小さなお子さんに消火器体験をさせるのは大事です」
夏場になると、子どもに服を着たまま泳ぐ訓練をさせるニュースがテレビで流れます。消火器体験もそれと同じで、子どもを持つ親の目に止まりやすいイベントのひとつです。
ベガルタ仙台の選手を数万円で呼べた仙台の工務店の感謝祭
話は少し横にそれますが、今から6〜7年前、私は仙台のある工務店にコンサルで通っていました。その工務店がお客さん向けの感謝祭を開いたとき、ベガルタ仙台の選手とマスコットキャラクターにイベントへ参加してもらいました。
当時のベガルタ仙台がJ1だったかJ2だったかは私も忘れてしまいましたが、全国的な知名度があり、地元の仙台市民にとってはスーパースター軍団です。
工務店は選手に1時間だけいてもらい、サイン会、ドリブル、リフティングの講習会を行ってもらいました。
マスコットキャラクターには1日中現場で待機してもらい、写真撮影に応じてもらいました。
この感謝祭で工務店が当日支払った経費は、数万円だけでした。
ただし、その工務店は年間契約でベガルタ仙台のスポンサーになっており、それがあったからこの金額で呼べたのです。
年間に支払っていた金額も驚くほど安いものでしたが、社長から外部に漏らさないよう言われているので、ここでは伏せさせていただきます。
住宅展示場の来場者数を増やすには他社のイベントを取り入れる
総合住宅展示場の正月イベントは例年と変わり映えしなかった
私が足を運んだ2か所の総合住宅展示場にも、そこそこに人は来ていましたが、イベントとしての魅力には乏しかったと私は感じています。
例年と比べて変わり映えがせず、悪くはないものの、もう少し知恵を絞ったらどうなのだろうという内容でした。
それでも一定数の来場があったので、2023年の住宅展示場の来場を占う数字としては、さほど悪くなかったと私は結論づけました。
Bホームの単独展示場のような内容を総合住宅展示場が企画すれば、多くの来場者を見込めるはずです。ところが、総合住宅展示場の企画には、どこまで行っても工夫の跡が見られないと私は感じています。
全国の年末年始イベントを集めて精査する
端的に言えば、全国で行われている年末年始のイベントの情報を徹底的に集めて精査し、いけそうなものがあれば取り入れてしまえばいいだけです。
結局は、住宅会社のイベントも、ほかでやっているものを参考にしているのです。
工務店が独自の企画で集客した例は、寄席イベントによる工務店の集客で解説しています。
セキスイハイムが考案した展示場売却戦略も同じです。
あの戦略はじつによく練られたもので、他の大手ハウスメーカーをはじめ、地元の有力ビルダーなどもこぞってこの手法を真似したはずです。
誰がどう見ても真似をした会社は2番手、3番手ですが、うまくいきそうだと判断したからこそ、各社は真似たのです。
まとめ
2023年正月の住宅展示場の来場者数は、なかなか好調だったと私は締めくくります。
全国平均を取ったわけではないので断言はできませんが、私が確認した範囲では平均か平均以上の数字でした。
セミナー、プロサッカー選手の招待、消火器噴射体験会を組み合わせたBホームは、単独展示場で記名66組を集めています。
新築着工数は、10年後には半減します。いま工務店を営んでいる方には早急に対策を打ってほしいですし、住宅展示場を持つ住宅会社はなおさら、イベントに工夫を凝らすようにしてください。
ぜひ本記事のBホームのイベント事例を参考に、自社の住宅展示場で開くイベントの中身を見直してください。



