建売住宅の売り方|社内トップの営業が販売前に準備する4つのこと

建売住宅の売り方|社内トップの営業が販売前に準備する4つのこと

利便性の高い人気の土地はほとんど仕入れられないため、建売住宅を任された不動産会社や工務店の営業は、一見売りにくい場所で販売を続けることになります。そうした場所でも、西日本の工務店U社で建売販売の成績が社内でダントツのYさんは、立地条件の調査、会社の信用を示す資料、家族構成別の問答集、室温の実測の4つを販売前に準備して売っています。

本記事では、Yさんへの取材をもとに、建売住宅の売り方と、販売前に準備しておく資料・営業トークを解説します。

建売住宅の売り方は不動産会社と工務店の役割分担で決まる

完全注文住宅は、工務店などの住宅会社の専売特許です。

一方で、建売住宅になると不動産会社も深く関わってきます。

建売住宅では、工事は工務店が行いますが、販売の窓口は不動産会社が担うことが多いからです。

工務店や不動産会社が、販売専門の会社に販売を任せることもあります。ただし、販売専門の会社に任せると多額の手数料が発生するので、私は可能であれば自社ですべて行うのが望ましいと考えています。

そのため、この記事は住宅会社の方より、不動産会社の方にぜひ読んでもらいたいと考えて項目を選びました。不動産会社の腕の見せ所は、売るのが難しく見える場所で建売住宅を売る方法を身につけることです。

売るのが難しく見える場所で建売住宅を売る手順は、悪い噂がある分譲地の建売住宅の販売方法で解説しています。

住宅営業Yさんの建売住宅の売り方は立地条件の調査から始まる

建売住宅の売り方は、私が実際に知っている敏腕営業マンの話をするのがいちばん早いです。

西日本のU社で建売販売トップのYさん

西日本にあるU社は、新築をメインに活動する工務店です。U社は、自社で分譲地の開発も大々的に行い、建売や売り建てを手がけています。

U社に在籍するYさんは、今年で13年目の男性営業です。

Yさんは、建売販売では社内でダントツの成績を収めています。

私はYさんを、全国的に見ても極めて優秀な住宅営業だと思っています。

立地条件をどう見せるかまで考えている

建売住宅の販売を成功させるには、立地条件の魅力をお客さんに伝える必要があります。

ところが、多くの営業マンがここをおろそかにしています。

私はYさんに、建売を売る前の準備を聞きました。

私「Yさんは建売を売る前にどんな準備をしているんですか?」

Y「当たり前の話ですが、その土地がいかに魅力的で希少価値があるかということを入念に調査します。そしてそれをどのようにプレゼンテーションすれば、お客さんの心を捕まえるかを考えます」

私「具体的にはどんなことをするんでしょうか?」

Yさんの話は、少し考えれば当たり前のことです。

それでも、立地条件の良さを徹底的に調べ、どうプレゼンテーションするかまで準備している不動産会社が、世の中にどれだけあるでしょうか。

立地条件のアピールは、やりそうでやられていない基本中の基本です。

立地条件を調べずに直感で土地を仕入れた工務店の実例は、工務店が建売で失敗した土地選びの事例で解説しています。

夜の明るさから個人開業医まで調べる

立地条件の調査項目は、観点を決めて出していけばいくらでも出てきます。たとえば次のような項目です。

  • 夜の明るさ
  • 犯罪率
  • 学校への近さ
  • 駅までの道が整備されているかどうか
  • 近くのバス停の時刻表
  • 近隣に妙な人物がいないか
  • 評判のいい個人開業医が近くにあるか

Yさんは、他の土地と比べてメリットがあると判断した項目を資料にまとめ、お客さんへのアピール材料にしています。分譲地での立地の伝え方は、住宅営業の初回接客のコツで解説しています。

中小工務店の建売は会社の信用を資料で見せる

会社の信頼性をアピールすることは、言われてみれば当然に思えます。しかし、ここ最近の住宅業界の状況を見ると、この点は特に重要になっています。

建築資材の高騰などを受けて、住宅業者の信用不安が高まっているからです。大手ハウスメーカーなら問題になりにくいのですが、中小零細の工務店に対しては、お客さんがこの点に敏感になっています。

規模の小さな工務店に属するYさんは、このことに気づいていました。

コロナ禍になってから、Yさんは会社の信用不安を払拭する資料を作り、積極的にアピールするよう心がけたそうです。

ここ最近は住宅価格の高騰が顕著になっているので、Yさんには先見の明があったと私は思います。

家族構成を想定して建売住宅の接客トークを準備する

実は私も現役時代に家族構成のシミュレーションを意識していましたが、Yさんもまったく同じことをしていました。

4人家族にちょうど合う建売住宅があるとします。

Yさんは、30代のご夫婦と、幼稚園と小学生の姉妹の4人家族が来場したらどう接客するかを、あらかじめ決めておきます。

トークの中身は建物の間取りなどで変わりますが、例えばこのような営業トークが考えられます。

「お嬢さん2人ですと、やはり防犯面が心配になるかと思います。この建物は万が一の不審者侵入のことを想定して防犯ガラスをしています。また、外構もよく見ていただきたいのですが、あまり高い生垣などを作らずに外からある程度見やすい作りになっています」

Yさんは、このトークに対してお客さんから返ってきそうな反論にも、それぞれ答えを用意しています。家族構成だけでなく、勤務先や勤務地までの距離もある程度想定した問答集を作っているそうです。

案内の前に家族構成や趣味を聞き出し、物件の合う点を用意しておく進め方は、建売の集客を契約につなげる接客で解説しています。

この準備は、住宅営業をある程度経験していれば誰でもできます。

それでも、いざ実際に準備しようとすると、億劫がってやらない営業がほとんどでしょう。

ご夫婦の中でも奥さんへの話し方は、ハウスメーカーの営業トーク事例で解説しています。

室温の実測で建売住宅の性能を見せる

建売住宅なら住宅性能を実地で検証できる

一般論として、建売住宅は注文住宅より住宅性能が落ちるという認識があります。すべての物件を比較すればそうした数値が出ると思われますが、その差は昔ほど大きくありません。

しかも建売住宅には、新築の注文住宅と違い、住宅性能を実地で検証できるメリットがあります。

注文住宅の営業が「弊社の性能は●●値が●●で非常に優秀です」と説明しても、その数値は実測値ではありません。

建売住宅では実際に測れるので、性能に自信を持っている住宅会社はこれをやるべきです。

「そこまではとてもできないよ」

こういう工務店の声が聞こえてきそうですが、色々な制約はかかるものの、簡単にできる方法があります。

冬場は暖房を入れて室内各所に温度計を置く

冬場の建売住宅は、暖房を入れなければ室内の気温が低いままです。断熱性能をアピールしたいなら、住宅会社は室内に暖房器具を置き、その効果がどれだけあるかを示せばいいのです。

やり方は簡単で、営業は温度計を室内の各所に置き、その数値をお客さんに見せて説明するだけです。

原始的な手法ですが、お客さんの納得感を得やすい性能のアピール方法です。

夏場は冬場と反対のことができます。

まとめ

建売住宅の売り方は、Yさんのように立地条件の調査、会社の信用の資料化、家族構成別の問答集、室温の実測の4つを販売前に準備しておくかどうかで変わります。

朝起きてWeb記事を見ていたら、住宅会社の倒産のニュースが載っていました。

ヨーロッパ風のデザインと内装を売りにしていた住宅会社で、建築資材の高騰と円安がもろに影響した事例だと私は考えています。

今後は工務店がどんどん倒産する時代に入ると私は予測しており、その波を何としてでも乗り切るために、できることはどんどん試すべきだと思います。

ぜひ本記事のYさんの4つの準備を参考に、次に売り出す建売住宅の販売資料と接客トークを作ってください。

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