営業の雑談力を上げる方法|住宅営業が使える雑談ネタと体験談

住宅営業がお客さんに仕事を聞いて「普通の会社員です」と返されると、次の言葉が出ないことがあります。
営業の雑談力は話のうまさではなく準備で上がります。
2016年に猫の飼育頭数が犬を上回ったといったデータや、職業ごとの返しトークを用意しておけば、話下手な住宅営業でも商談を和ませられます。
私自身も、バイオリン講師のお客さんとの商談では、楽器の話から家の話へ自然に進められました。
本記事では、雑談ネタの集め方と、お客さんの仕事や趣味の雑談を住宅の本題につなげる方法を、体験談をもとに解説します。
話下手な住宅営業でも雑談力は上がる
「雑談力は重要だよね」という言葉は大昔から言われていて、住宅営業なら誰でも頭では分かっています。それでも、雑談力を実際に身に付けるのはかなり大変なことだと考えられています。
私は、話下手の人や人見知りの人でも雑談力は上がると考えています。
住宅営業は、営業という役割を演じればよいからです。
小さなころから話下手で、人と会うとプレッシャーを感じる人でも、商談の場では営業の役を演じれば務まります。
役を演じる営業社員にとって台本にあたるのが、雑談のネタと返しのトークです。
どちらも才能ではなく準備で用意できるので、誰でもまねできます。
話すこと自体が苦手な営業社員が商談の後にできる工夫は、口下手な住宅営業のお礼状とショートメールの使い方で解説しています。
住宅営業の雑談力を上げるデータのネタ
2016年に猫の飼育頭数が犬を上回った
2016年に、猫の飼育頭数が犬の飼育頭数を上回って逆転しました。資料はネットで検索すればいくらでも出てきますが、住宅営業がこの事実を知っていると、折衝の場面で雑談に持ち込みやすくなります。
営業「ペットを飼われる予定はありますか?」
客「今すでに猫を飼っているんですよね」
営業「そうですか。猫派が犬派を逆転したらしいですよ。2016年だと思いましたが」
客「そんな調査があるのですか?猫派としてはうれしいです」
簡単な会話ですが、お客さんが猫を飼っていると分かったときに、営業が味気ない返事で終えるか、ひと言データを添えるかで、会話の盛り上がり方が変わります。お客さんが犬好きでも結果は同じで、営業は犬好きの方に話を合わせればよいだけです。
50歳を超えると増える男性のいびき
男性のいびきが50歳を超えると急に増えることにも、データがあります。
データを見なくても、50歳を過ぎると体の衰えからいびきをかきやすくなることは感覚的に想像が付くでしょう。
住宅営業がこのデータを知っていれば、主寝室の接客で雑談を入れられます。
営業「こちらが主寝室です」
奥様「へ~ 素敵だわね」
主人「そうだな、このくらい広いと気持ちがいいな」
営業「(50歳は超えている感じだな……)ところで寝室というといろんな問題もありまして、ご主人のいびきに悩む奥様の話はよく耳にしますよ」
奥様「そうなのよ!うちの主人も地鳴りみたいないびきをかくのよね。本当に困っているのよ」
営業が20代の夫婦にこの話を振っても、話に乗ってもらえる確率は低いはずです。しかし、50代の夫婦に試せば打率が格段に上がることは、誰の目にも明らかです。
いびきの雑談は、単なる雑談では終わりません。
営業はいびきの話から、夫婦別寝室の話題へと誘導できます。
一見どうでもいい雑談に見えても、実際は商談に入るための潤滑油になっていたのです。
奥さんを会話の中心に置く接客については、ハウスメーカーの営業トーク事例で解説しています。
お客さんの仕事を雑談のきっかけにする
「バイオリンを教えています」に即応した商談の体験談
お客さんから「バイオリンを教えています」と言われたとき、住宅営業がクラシック好きであれば、いくらでも雑談に持ち込めます。営業が用意しておく話題は、次の4つもあれば十分です。
- 楽器の種類(ストラディバリウスなど)
- バイオリンの保管場所
- 作曲家の話
- 出身大学の話
私は、これと全く同じケースを経験しています。お客さんの奥様が東京芸大卒のバイオリニストで、バイオリンを教える仕事をされており、自宅を建てて個人で音楽教室を開きたいというお話でした。
私はたまたまこれらの話に即応できたので、話がいろいろと膨らんで場が和みました。バイオリンの値段や出身大学の話をした後で、私は次のようにバイオリンを家の話へつなげ、そのまま商談はいい感じで進んでいきました。
私「保管が大変でしょう?湿度の問題もあると思いますし」
クラシックを知らない営業は素人として質問する
私はもともとクラシック好きで、いろいろなネタを持っていたので困りませんでした。では、ほかの音楽は好きでもクラシックには全く関心がない営業社員は、どう対応すればよいのでしょうか。
奥様「バイオリン教室を自宅で開きたいのですよね」
営業「そちら方面には全く造詣がないのですが、私みたいな素人でも数か月習ったら弾けるものですかね?」
営業社員にバイオリンの知識は必要なく、知らなければ知らないなりにこう返せば済みます。
もちろん、営業がこの切り返しを思いつかなければアウトです。
ただ、営業がお客さんのことに関心を持てば、何かしらの言葉は出てくるものです。
「会社員です」と言われたときの返しトークを決めておく
住宅営業が「お仕事は何をされているのですか?」と聞き、返ってきた答えに話を返していくのは、雑談の定番中の定番です。
特殊な仕事であれば話もしやすいのですが、お客さんに「サラリーマンです」「公務員です」と答えられると、営業は返事に困ります。
雑談が苦手な営業社員は、職業ごとの返しトークをある程度決めておけば対応できます。分かりやすい例で言えば、医療関連の仕事のお客さんにはコロナを念頭に置いて返します。
お客さんの答えに合わせた返しを前もって用意しておく想定問答集の作り方は、展示場接客の雑談力を上げる方法で解説しています。
営業「お仕事は何をされているのですか?」
主人「医療関連会社の営業です」
営業「今は大変ではないですか?」
営業は、お客さんが医療関連と答えたら「それは大変でしょう?」と返す、と決めておけばよいわけです。
お客さんが学校の先生であれば、次の返しが使えます。
営業「お仕事は何ですか?」
主人「小学校の教諭です」
営業「その昔は職員室内でもたばこの煙ですごかった記憶がありますが、今は全く違うんですよね?」
営業がいちばん困る「普通の会社員です」という答えにも、コロナを使えば返せます。
営業「お仕事は何ですか?」
主人「普通の会社員です」
営業「コロナの影響は受けていませんか?」
返し方はいくらでもありますが、コロナを話題にするのであれば、この程度の返しで会話は続きます。初回接客でお客さんとの距離を縮める進め方は、分譲地での住宅営業の初回接客のコツで解説しています。
趣味の雑談はお客さんに語ってもらう(釣り名人だったおじの話)
住宅営業がお客さんの趣味を聞き出し、そこに突っ込んでいく雑談もあります。私は、このやり方を小学生のころに自然とやっていました。
中日スポーツに特集された釣り名人の従叔父
私の従叔父(いとこおじ)は2年前に91歳で他界しましたが、大の釣り好きで、地元の中日スポーツに1面を使って特集記事を組まれたこともあるほどの腕前でした。そのうえ従叔父はとてつもない世話好きで、500世帯もあるマンションの管理人をしていたときは、ひっきりなしに居住者の相談事に乗っていました。
お年玉を待ちながら釣りの話に火を付けた
小学生のころ、私は正月になると従叔父に会いに行きました。
もちろん狙いはお年玉です(笑)。
ただ、お年玉をもらうお礼の意味や、従叔父の楽しそうな顔を見たい気持ちもあって、私は意図的にこんな話をしました。
私「おじさん!やっぱり釣りはあまり面白くないよ」
おじ「雅樹は飽き性だな……釣りっていうのは忍耐力なんだよ」
ここから先は従叔父の独壇場です。
従叔父はいったん火が付くと止まらず、とにかく楽しそうに釣りの話を私にしました。
私はその熱い顔を見ながら適当に相槌を打ち、お年玉が出るのを忍の一字で待ち続けたわけです。
大人の顔色をうかがう、かわいげのない子どもと言えなくもありません。それでも、私が意図的に話を仕掛けて従叔父に気分よくなってもらったのは事実で、その作戦が成功したのも事実でした。
商談でも、営業がお客さんの趣味を聞き出したら、営業が自分で語るより、お客さんが熱を込めて語りだすきっかけを投げて聞き役に回ります。
お客さんが話したくなる話題を初回接客で聞き出して集めておくやり方は、住宅営業のヒアリングのコツで解説しています。
雑談ネタを住宅の本題につなげるネタ帳の作り方
猫やいびきと同じ理屈で、住宅営業はデータや話題になりそうな記事を片っ端から探してください。使えそうなものを見つけたら、プリントアウトするなりしてファイリングすれば準備は完了です。
集めた時事ネタを家の話へつなげる練習の進め方は、住宅営業の雑談力を伸ばすロープレで解説しています。
| 雑談を入れる場面 | 雑談ネタ | 雑談の後に進める話題 |
|---|---|---|
| ペットのヒアリング | 2016年に猫の飼育頭数が犬を上回ったデータ | 猫派・犬派の話で会話を広げる |
| 主寝室の案内(50代の夫婦) | 50歳を超えると男性のいびきが増えるデータ | 夫婦別寝室 |
| 仕事のヒアリング(バイオリン講師) | 楽器の種類、作曲家、出身大学 | バイオリンの保管と湿度、自宅の音楽教室 |
| 仕事のヒアリング(医療関連・会社員) | コロナの影響 | お客さんの仕事の近況 |
まとめ
営業の雑談力は、話のうまさではなく準備で上がります。データのネタを集める、職業ごとの返しトークを決めておく、趣味はお客さんに語ってもらう、という3つの準備があれば、話下手な住宅営業でも営業の役を演じられます。
雑談は、夫婦別寝室や自宅の音楽教室のように、住宅の本題へ進むための入り口として使います。ぜひ本記事の雑談ネタと返しトークを参考に、次の商談までに自分のネタ帳を1冊作ってください。



